なんか最近これも聞かれるケースが増えてきました。
しかし、実質僕もよく分からないんですよね。
まあ、こう言ってしまうと高血流(血液流量・QBを高めて透析を行う)をやってる病院の先生から怒られてしまうと思うんですが(-_-;)
元々、知り合いの患者さんが8時間QB100の透析と4時間QB200の透析では同じなのか? という事を少し前に聞かれましてね。
僕は医師でも医療スタッフでも無いので、そういったデータを持ち合わせてません。
なので、長時間低血流を行っている病院の患者さんなどを当たって行った訳です。
高血流側の患者さんだったら、知り合いはたくさんいるんですが。
週3回8時間の透析で血液流量(QB)が120という70歳代の患者さんと知り合って血液データを見せてもらったのですが、透析後クレアチニン値が安定的に3台になってました。(先日の勉強会でも8時間低血流の患者さんのデータが出てましたので参考データは計2人です)
透析前クレアチニン値が9~11というところで安定している事から、時間を半分にしてQBを2倍にする透析を行っても、透析後クレアチニン値は4台までしか出ないと思うんですよね。
僕自身が4時間QB280の時にも良くて4台、悪ければ5台前半となってました。
単純にクレアチニン値から考えると、8時間QB120と4時間QB240は同じになりませんね。
尿素窒素の除去量が絡んでくるKt/Vでも8時間QB120のほうが高くなるようです。
このデータから、時間をかけた方が毒素除去量は増えると思います。
という事は、長時間低血流でも効果はあるんですよね。
なぜそうなるかと言えば、毒素は体内の血液中にはわずかしかなく、大半は血液外の細胞などの別の場所に存在してるからです。
約3時間前後の透析で血液中の毒素はある程度引けると言われてますが、ある程度血液中の毒素がクリーンにならないと、他の部分の毒素が血液中に少ししか入ってきませんからね。
時間をかけて透析した方が、他の部分からの毒素が血液中に入って来るので、より多く毒素が引けるという事なんでしょうね。
まあ、透析後クレアチニン値だけで何でもは計れませんが、僕が6時間QB280の透析でやっても透析後クレアチニン値は3台しか出てませんので、8時間QB120でもそれに近いデータは出るという事ですね。
ただ、じゃあ、8時間QB120の透析を行っている患者さんに8時間QB240の透析をしたらどうなるかと言えば、当然もっと良いデータが出るはずです。
しかし、同様に栄養素の除去量も増えてしまいますので、疾患が多い患者さんや高齢者さんなどには、無理のない透析という事で長時間低血流もありなのではないか? という事も言えてしまうでしょう。
確かに某長時間低血流の病院では8時間透析QB120~160くらいで透析を受けている80歳代の患者さんがたくさんいます。

そもそも「長時間高血流なのか、長時間低血流なのか」については過去の長時間透析研究会でディベートとしてあったらしいのですが、その当時は僕はそういう学会がある事すら知りませんでしたので、結果を知りません。
同じ透析時間でも血液流量(QB)を上げたほうがKt/Vが上がるし、透析効率は上がるはずなんですが、高血流は患者さんのシャントと血管内の血流に依存してますので、出来ない場合もあります。
根本的に色々諸説があり、デメリットだけを見ていけば、
高血流(高QB)=マイクロバブルが発生するのではないか
低血流(低QB)=血流が遅すぎて回路内で血が固まってしまうのではないか
といった事も言われます。
何でもそうですが、何かをすればメリット・デメリットは必ず存在します。
どちらにしても生存率が高まっているというデータはたくさんありますので、4時間を超えていくような透析での血流量は、患者さんの様態によって変わって良いのではないかと、僕自身は感じております。
最終的には患者さんに合ってるか合ってないか?
そういう事ではないでしょうか?
仕事の関係上などで、どうしても4時間透析程度しか出来ない患者さんもおられます。
そういう患者さんがQB300以上で透析効率を上げるのはありだと思いますし、透析時間を延ばしやすい高齢者さんであればゆっくり長くの概念もあるかと思います。
また、時間を延ばしづらい人は、短時間頻回という選択肢もあって良いと思いますし、何が何でも長時間一辺倒でもないと思います。
できるかできないか、メリットとQOLが合致するか、デメリットのマイナスが小さくなるか否か、そういったたくさんの項目から、自分に合う透析を受けていれば問題無いと思います。
ただ、過去の僕の経験(経験と言ってもたかが12年ですが)から言うと、4時間透析や4時間未満の透析では、低血流はそのまま予後の悪さに直結しますね。
シングルニードル(血管の問題で1本しか針が刺せないような場合など1本の針で脱血と返血を交互に行う透析)で4時間の透析をしてる患者さんを何人か見た事がありますが、4時間では透析効率が悪くなる(通常の2本の場合の半分以下)のであまり患者さんの予後が良いようには見えませんでした。
僕自身も前の病院ではせっかく5時間も透析させてもらってたのに、頻繁に起こる脱血不良で血流を下げられてしまい、透析後クレアチニン値が5台になってたりしました。
それが4時間透析だったら6台確定ですよね(-_-;)
どこからが高血流になるのか? の問題はありますが、4時間透析や4時間未満の透析ではできればQB200よりは高く設定してもらったほうが良いかも知れません。
もしくは、頻回透析と言う手もありますが、これはやってくれる病院が少なすぎるために現実的ではありません。
残念ですが。
こういう場合は在宅透析という手もあります。
長時間低血流という概念は長時間透析のものです。
あくまで僕の印象に過ぎませんが、4時間や4時間未満の透析では低血流という概念は予後を悪くしてしまうだけのように感じます。
僕の場合は6時間QB280なのですが、300でも良いと思ってます。
病院の方針で室長さんと話した時に、6時間透析になってもQBは280のままで行こうとなりました。
これはこれで、透析時間を変えなくても透析効率を上げる事も下げる事も可能な訳ですので、いざという時にいかようにも対応できるので良しとしております。
僕の印象から高血流はQB300からという概念でいます。(透析はQBだけでは測れない部分もありますので、何とも言えませんがとりあえずの目安として)
さて、この高血流が良いか、低血流が良いかを聞かれると、僕は
ん~(-_-;)
となってしまいますね。
なので、合ってるか合ってないかでしか判断できません。
そして、高血流をやってくれる病院はかなり少ないです。
これは、安全に透析したいという思いが医療従事者さんにあり、長期の臨床データの少ない高血流をやりたがらない問題も内包しております。
逆に言えば、高血流をやってる病院や患者さんは先駆者とも言えますね。
実際、30年以上の高血流をやってる患者さんがいるそうです。
透析医学会のデータでも、オンラインHDFでは240前後、HDでは200前後の患者さんが圧倒的に多く、280以上の患者さんはごくわずかです。
一方、長時間低血流(低血流と言ってもQB200も含みますが)というスタイルは割と世に広まり始めてると思います。
ただ、あくまでHDですよね。
オンラインHDFではリン除去量の関係で240以上が良いという透析医の先生が何人かいますし、実質240前後の患者さんが多い事からも低血流は向かない可能性があるかも知れませんので、主治医の指示に従って下さい。
ここは間違えないようにお願いします。
僕の通う病院でも、透析期間が20年を越え始めたら、時間を延ばしてゆっくり引こう、という風に室長さんが指導してますが、残念ながら患者さんのほうが時間延長を嫌う傾向にあり、実現は難しいようです。
しかし、せっかく透析病院が時間延長を申し出てくれてるのに、もったいないとも思います。
長時間の透析で体が軽くなって、透析時間の長さを感じなくなるというメリットを経験がないため知らないんですよね(-_-;)
そこが残念でなりませんね。
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しかし、実質僕もよく分からないんですよね。
まあ、こう言ってしまうと高血流(血液流量・QBを高めて透析を行う)をやってる病院の先生から怒られてしまうと思うんですが(-_-;)
長時間低血流という透析のやり方はどうなんだ
元々、知り合いの患者さんが8時間QB100の透析と4時間QB200の透析では同じなのか? という事を少し前に聞かれましてね。
僕は医師でも医療スタッフでも無いので、そういったデータを持ち合わせてません。
なので、長時間低血流を行っている病院の患者さんなどを当たって行った訳です。
高血流側の患者さんだったら、知り合いはたくさんいるんですが。
週3回8時間の透析で血液流量(QB)が120という70歳代の患者さんと知り合って血液データを見せてもらったのですが、透析後クレアチニン値が安定的に3台になってました。(先日の勉強会でも8時間低血流の患者さんのデータが出てましたので参考データは計2人です)
透析前クレアチニン値が9~11というところで安定している事から、時間を半分にしてQBを2倍にする透析を行っても、透析後クレアチニン値は4台までしか出ないと思うんですよね。
僕自身が4時間QB280の時にも良くて4台、悪ければ5台前半となってました。
単純にクレアチニン値から考えると、8時間QB120と4時間QB240は同じになりませんね。
尿素窒素の除去量が絡んでくるKt/Vでも8時間QB120のほうが高くなるようです。
このデータから、時間をかけた方が毒素除去量は増えると思います。
という事は、長時間低血流でも効果はあるんですよね。
なぜそうなるかと言えば、毒素は体内の血液中にはわずかしかなく、大半は血液外の細胞などの別の場所に存在してるからです。
約3時間前後の透析で血液中の毒素はある程度引けると言われてますが、ある程度血液中の毒素がクリーンにならないと、他の部分の毒素が血液中に少ししか入ってきませんからね。
時間をかけて透析した方が、他の部分からの毒素が血液中に入って来るので、より多く毒素が引けるという事なんでしょうね。
まあ、透析後クレアチニン値だけで何でもは計れませんが、僕が6時間QB280の透析でやっても透析後クレアチニン値は3台しか出てませんので、8時間QB120でもそれに近いデータは出るという事ですね。
ただ、じゃあ、8時間QB120の透析を行っている患者さんに8時間QB240の透析をしたらどうなるかと言えば、当然もっと良いデータが出るはずです。
しかし、同様に栄養素の除去量も増えてしまいますので、疾患が多い患者さんや高齢者さんなどには、無理のない透析という事で長時間低血流もありなのではないか? という事も言えてしまうでしょう。
確かに某長時間低血流の病院では8時間透析QB120~160くらいで透析を受けている80歳代の患者さんがたくさんいます。

長時間高血流VS長時間低血流
そもそも「長時間高血流なのか、長時間低血流なのか」については過去の長時間透析研究会でディベートとしてあったらしいのですが、その当時は僕はそういう学会がある事すら知りませんでしたので、結果を知りません。
同じ透析時間でも血液流量(QB)を上げたほうがKt/Vが上がるし、透析効率は上がるはずなんですが、高血流は患者さんのシャントと血管内の血流に依存してますので、出来ない場合もあります。
根本的に色々諸説があり、デメリットだけを見ていけば、
高血流(高QB)=マイクロバブルが発生するのではないか
低血流(低QB)=血流が遅すぎて回路内で血が固まってしまうのではないか
といった事も言われます。
何でもそうですが、何かをすればメリット・デメリットは必ず存在します。
どちらにしても生存率が高まっているというデータはたくさんありますので、4時間を超えていくような透析での血流量は、患者さんの様態によって変わって良いのではないかと、僕自身は感じております。
最終的には患者さんに合ってるか合ってないか?
そういう事ではないでしょうか?
仕事の関係上などで、どうしても4時間透析程度しか出来ない患者さんもおられます。
そういう患者さんがQB300以上で透析効率を上げるのはありだと思いますし、透析時間を延ばしやすい高齢者さんであればゆっくり長くの概念もあるかと思います。
また、時間を延ばしづらい人は、短時間頻回という選択肢もあって良いと思いますし、何が何でも長時間一辺倒でもないと思います。
できるかできないか、メリットとQOLが合致するか、デメリットのマイナスが小さくなるか否か、そういったたくさんの項目から、自分に合う透析を受けていれば問題無いと思います。
4時間や4時間未満の透析では低血流がマイナス???
ただ、過去の僕の経験(経験と言ってもたかが12年ですが)から言うと、4時間透析や4時間未満の透析では、低血流はそのまま予後の悪さに直結しますね。
シングルニードル(血管の問題で1本しか針が刺せないような場合など1本の針で脱血と返血を交互に行う透析)で4時間の透析をしてる患者さんを何人か見た事がありますが、4時間では透析効率が悪くなる(通常の2本の場合の半分以下)のであまり患者さんの予後が良いようには見えませんでした。
僕自身も前の病院ではせっかく5時間も透析させてもらってたのに、頻繁に起こる脱血不良で血流を下げられてしまい、透析後クレアチニン値が5台になってたりしました。
それが4時間透析だったら6台確定ですよね(-_-;)
どこからが高血流になるのか? の問題はありますが、4時間透析や4時間未満の透析ではできればQB200よりは高く設定してもらったほうが良いかも知れません。
もしくは、頻回透析と言う手もありますが、これはやってくれる病院が少なすぎるために現実的ではありません。
残念ですが。
こういう場合は在宅透析という手もあります。
長時間低血流という概念は長時間透析のものです。
あくまで僕の印象に過ぎませんが、4時間や4時間未満の透析では低血流という概念は予後を悪くしてしまうだけのように感じます。
オンラインHDFでは主治医の方針に
僕の場合は6時間QB280なのですが、300でも良いと思ってます。
病院の方針で室長さんと話した時に、6時間透析になってもQBは280のままで行こうとなりました。
これはこれで、透析時間を変えなくても透析効率を上げる事も下げる事も可能な訳ですので、いざという時にいかようにも対応できるので良しとしております。
僕の印象から高血流はQB300からという概念でいます。(透析はQBだけでは測れない部分もありますので、何とも言えませんがとりあえずの目安として)
さて、この高血流が良いか、低血流が良いかを聞かれると、僕は
ん~(-_-;)
となってしまいますね。
なので、合ってるか合ってないかでしか判断できません。
そして、高血流をやってくれる病院はかなり少ないです。
これは、安全に透析したいという思いが医療従事者さんにあり、長期の臨床データの少ない高血流をやりたがらない問題も内包しております。
逆に言えば、高血流をやってる病院や患者さんは先駆者とも言えますね。
実際、30年以上の高血流をやってる患者さんがいるそうです。
透析医学会のデータでも、オンラインHDFでは240前後、HDでは200前後の患者さんが圧倒的に多く、280以上の患者さんはごくわずかです。
一方、長時間低血流(低血流と言ってもQB200も含みますが)というスタイルは割と世に広まり始めてると思います。
ただ、あくまでHDですよね。
オンラインHDFではリン除去量の関係で240以上が良いという透析医の先生が何人かいますし、実質240前後の患者さんが多い事からも低血流は向かない可能性があるかも知れませんので、主治医の指示に従って下さい。
ここは間違えないようにお願いします。
僕の通う病院でも、透析期間が20年を越え始めたら、時間を延ばしてゆっくり引こう、という風に室長さんが指導してますが、残念ながら患者さんのほうが時間延長を嫌う傾向にあり、実現は難しいようです。
しかし、せっかく透析病院が時間延長を申し出てくれてるのに、もったいないとも思います。
長時間の透析で体が軽くなって、透析時間の長さを感じなくなるというメリットを経験がないため知らないんですよね(-_-;)
そこが残念でなりませんね。
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コメント
コメント一覧 (2)
「血液流量を上げると心臓に悪い」とか、「血液流量を上げると血圧が下がる」というのは、一般論としては適切ではなく、「都市伝説」ですね。それから血液流量を上げるということは、透析効率を改善し、透析量を増やしますから、長生きにつながる可能性があり、それを示唆する研究もあります。
しかし、効率を上げると、透析終盤へ向けて、カリウムが下がり過ぎる、あるいはカリウムが急激に下がるという現象がおきて、それが心臓に影響を与える危険性はあります。高血液流量とする場合は、透析液カリウム濃度も考える必要があると思います。
実血流量
高血液流量になればなるほど、実血流量を測定してみると、乖離が気になります。もちろん、シャントの状態がどうかとも関連しますから、近年は高齢者が増え、流量が十分なシャントが少なくなっているかもしれません。逆に、高血液流量ががっちり脱血できる場合、そのシャントの流れが多すぎないかにも、気を遣う必要があると思います。
長時間透析の血液流量
患者さんの食事摂取量や身体がついてこられるなら、長時間・高血液流量もありだと思います。ただ8~10時間の長時間透析をする場合は、血液流量を上げなくても、かなりの尿毒素除去ができますので、設定は「適度」でよいと思われます。やはり患者さんの状態をみて、調節することが大切でしょう。
オンラインHDFの血液流量
オンラインHDFでは、透析液を補液に使います。日本で一般的な前補液・大量置換の場合、ヘモダイアフィルターを流れる方の透析液~血液透析に関わる透析液は減少します。従って、小分子物質の除去量を維持しようと思えば、単純な血液透析の場合よりも、上げる必要があるといえます。実際、透析医学会でも、前補液のオンラインHDFでは、250が標準と考えている様です。また、後補液の場合なら、ろ過量を増やすためには、高血液流量が必須となります。
コメント有難うございます。
詳しい解説、分かりやすくて参考になります(*'▽')
高血流でやってる仲間もいますし、ほどほどの250前後の方も多いです。
患者さんのイキイキ度に関しては、どちらもそんなに違うようには見えないんですが、5~6時間で350前後の人、7~8時間で240前後の人、という括りになってる感じですね。
QBも上げてもらいやすい病院と、上げてもらいにくい病院があります。
ここにも出ている神奈川の某病院でも、僕の仲間の1人は200前後まで上げてもらってますね。
なかなか「うん」とは言ってもらえないようです。
この高血流か、低血流か、という問題は面白いですよね(*'▽')
それぞれ、状況によって様々で、患者同士の話し合いでは、結局のところ無難な220~300辺りで話がまとまってしまうケースもありきです(^◇^)