Kt/V(ケーティーオーバーブイ)って高過ぎると良くないって聞くんですが?
という質問は多いですね~。
Kt/Vとは、透析量をはかる指標として使われる事が多く、Kt/V「1」ですと体内の血液を1回通り透析できたという事になる指標です。(あくまでそういう基準であり、確実に体内の血液が1回通り透析できたという訳ではありません)
特に僕が6時間透析を始めてからは、長時間透析を推進したいと思ってますから尚更なんですが。
長時間透析をなぜ推進したいか? という問題なんですが、これは人工透析には地域差や病院格差があって、6時間透析やオーバーナイト透析を受けたくても受けられない地域があるからです。
在宅透析支援病院すらない地域もあります。
もちろん、誰もが必ずオーバーナイト透析や6時間透析を受けなくてはならないという訳ではないとは思います。
どこの地域に住んでいても、6時間透析まではやってくれるという選択肢があっても良いのではないか?
患者が望む透析をある程度のレベルまでは受け入れられる状況にあっても良いのではないか?
特に田舎部の透析病院ほど、そういう色んな選択肢が必要なんではないか?
そういう選択できる環境を作って欲しいという観点から、長時間透析を推進したいという思いがあったのです。
逆襲時代から読み進めてくれてる方は、僕の思考の変遷はよく理解してくれてるとは思うんですが、まず僕はドライウェイトが70キロなんですよ。(逆襲時代は69.5キロ)
4時間透析時代の僕のベッドの斜め前には「話好きの人」という知的障害者さん(透析約15年)がいたんですが、「話好きの人」はドライウェイトが35キロ前後なんですよね。(6時間透析になってベッド場所が変わりました)
(^◇^)
僕の約半分(-_-;)
いや、これね、同じ4時間透析でも「話好きの人」は恐らく血液流量(QB)が200だったと思うんです。
僕は280でしたので、同じ透析量ではないですが、Kt/Vは圧倒的に「話好きの人」のほうが良かったはずですよね。
僕が当時、Kt/Vが1.4~1.5くらいでした。
しかし、「話好きの人」は楽々2を超えますね。
同じ4時間透析でも、Kt/Vでは完全に負ける訳ですな。
体格差の問題があるんですよ。
なので、僕としては70キロもある以上、5時間透析以上の透析を受けないといけないのではないか? という疑問を持っていたのですな。
そもそも、70キロと35キロでは、体格を維持するだけの食事量も違いますし。
体重が倍だから、食事量も倍という単純なものでは無いにしろ、僕の体重を維持する量を「話好きの人」が食べれば間違いなく太るでしょう。
逆に「話好きの人」の体型を維持する食事量を僕がすれば、緩やかに痩せていくでしょうな。
先日の勉強会の話題で出したデータでも、体内の体液量の問題が出ましたが、当然、体格によって体液量は違いますから、僕の場合は透析量が多くてもKt/Vでは低くなるというケースがあるのです。
実際ね、透析40年以上の人では小柄な人が目立つ気がします。(あくまで僕の印象です)
これはやはり、体液量の少ない小柄な人のほうが透析量が増えるからではないかと推察できますよね。
体が小さい=食事制限も大変そうだ
という事も言えますし、色々体格で透析の問題が変わって来るのは間違いない事実でしょう。
知り合いの188センチ93キロの人ですと、4時間QB200の透析ではKt/Vが良くて「1.1」くらいにしかならないんですよね。

透析仲間の中には小さくても5時間のオンラインHDFを受けてる患者さんもいて、30年以上の透析生活で今なお元気で頑張っておられます。
Kt/Vは「3」を超えますね。
どうなんでしょう。
本当に小さい人であれば4時間QB200でも、Kt/Vが「3」前後になる人もいるのではないでしょうか。
Kt/Vが高過ぎると予後に問題があるというのは、恐らくは透析量を増やし過ぎると栄養をを引き過ぎてしまう問題があるからではないかと感じます。
確かに体格が小さい人の食事量は大きい人よりも少ないはずで、当然、栄養の問題は立ちはだかりますよね。(栄養素の量も体液量が少ないので、大きい人並みにはいらないと思いますが)
そうなると、体格の小さい患者さんの場合は、そこまで透析量は増やしきれないのではないか? とも言えますね。
そういった観点から「Kt/Vが高過ぎる場合、予後に問題がある」という説が生まれてるのではないかと思います。
まあ、僕のような70キロ以上ある患者さんが6時間透析にしたからと言って、透析量が多過ぎて栄養不足になるという事はまず無いに近いでしょうね。
それなりに食べてないと、体格を維持できませんから。
実際、体重のあまりなさそうな女性患者さんでもオーバーナイト透析や在宅透析で週20時間以上の透析を受けられてる人もいますよ。
しかも元気です。
ちゃんと食べれていて、透析内容でも病院側がある程度工夫していれば、長時間の透析で起きる問題は少ないです。
なんか病院によっては「Kt/Vが1.4~1.6が適切」という事をおっしゃってるところもあるそうです。
(ある意味、ガイドライン通りとも言えますが)
ん~(-_-;)
それは違う気がしますね。(あくまで僕の印象です。アテになりませんよ(*'▽'))
透析40年以上を実現してる患者さんは「Kt/Vが1.6以上」になるような体格の人も多い気がしますが、偶然なんでしょうか?
確かに極端な話、Kt/Vが「10」とか「20」とかだと問題あり過ぎると思いますが、「3」とか「3.5」とかでは特に問題無いのでは? という気がしますね。
ただ、食の細い高齢患者さんであれば「1.4~1.6」でも良い気もします。
そこら辺は患者さんによって、また疾患や現在の病態によって違ってくるんではないでしょうか?
20代~60代の体格の大きいまだまだ元気な患者さんであれば、6時間以上の透析でKt/Vが2を超えても、そこまで問題があるようには思えませんね。
確かに外国の論文などで、Kt/Vがある一定の所から生存率が下がっているというのがあるんですよね。
それが元になってる気もしますが、日本の場合は違ったデータが出てるという事なので、当てはまらないんではないでしょうか?
更に「Kt/V1.4~1.6が良い」というのは透析医学会のガイドライン上にある文言です。
なので、これで問題は無いとも言えますが、それとは別にKt/V1.8までは死亡リスクの低下があるとも書かれてますし、また女性の場合は毒素生産量が多い可能性や尿毒素への感受性が高い問題があり、より高いKt/Vまで死亡リスクが下がると書かれてあります。
元々、外国の(特に米国の)Kt/Vの研究データでは短時間高効率透析(3時間QB500)などのデータが用いられており、日本独自の研究では、長時間透析では優位に死亡リスクが下がる可能性があるとも書かれてます。
体格の問題に関しても体格の大小で違いがあると書かれてますし、Kt/Vでは一定以上で死亡リスクの低減が止まっていて高過ぎても効果が無い一方で、Kt/Vに関わらず透析時間を延ばせば延ばすほど死亡リスクが下がるとなってますね。
そういう意味から透析時間は4時間以上を推奨しております。
実質、日本透析医学会のKt/V指標は最低確保として1.2以上、目標は1.4以上が望ましいとなっており、上限については細かく触れていません。
1.8まで(女性患者さんの場合はそれ以上)は死亡リスク軽減に効果ありとなってますね。
一方で、短時間高血流ではなく、透析時間を延ばして透析量を増やした場合の死亡リスクが下がるという問題に関しては、Kt/Vとは別の指標であるかのような文言になってます。
長時間透析では血圧低下頻度が下がる事や、血圧管理が容易になる事で、死亡リスクが下がるという風に書かれてますね。
結局のところ、Kt/Vの指針の第1歩は、海外のHEMO研究によるもので、そもそも3時間高血流透析を中心としたデータであるために、違いがある事。
日本人は欧米人より体格が小さいために、Kt/Vが高くなってしまう事。
また、日本の透析は世界最高なのだから、海外のデータに当てはめるのが難しい部分もある事。
そういった要素が絡んでますね。
まだまだ、日本の長時間透析の患者数が少なく、臨床データも少ないんですよね。
これから学会などでこのKt/Vの日本人向きの指標も出てくると思います。
明らかになっている事は、日本の現在のKt/V指標は、4時間未満の高血流透析で高くしても予後に繋がらないという事と、ある程度までは優位に死亡リスクが下がるという事だけですね。
一方で、透析時間を延ばしてKt/Vを高めた群では別のデータが出るという事です。
という事は、HD4~4.5時間程度の透析では最低1.2以上、1.4以上が望ましい、5時間以上の透析(短時間頻回透析も含む)ではKt/Vの上限での死亡リスクは当てはまらない、と考えて良さそうです。
そもそも毒素を多く引けた方が良い訳ですが、やはり栄養の問題もあります。
メリット・デメリットの落差の大きい透析より、メリット・デメリットの落差の少ない安定路線を選ぶ日本人らしい考えとも言えますね。
訴訟の問題などもあって、医療従事者さんも頭の痛いところではないでしょうか?
一方、僕が思うように、1つの透析病院で様々な透析に対応出来て欲しいという事も何とかしてほしいですし、それによって色んな研究データが出てくれる事も望ましいのではないでしょうか?
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という質問は多いですね~。
Kt/Vとは、透析量をはかる指標として使われる事が多く、Kt/V「1」ですと体内の血液を1回通り透析できたという事になる指標です。(あくまでそういう基準であり、確実に体内の血液が1回通り透析できたという訳ではありません)
特に僕が6時間透析を始めてからは、長時間透析を推進したいと思ってますから尚更なんですが。
同じ透析量でも体格差で透析効率は変わる
長時間透析をなぜ推進したいか? という問題なんですが、これは人工透析には地域差や病院格差があって、6時間透析やオーバーナイト透析を受けたくても受けられない地域があるからです。
在宅透析支援病院すらない地域もあります。
もちろん、誰もが必ずオーバーナイト透析や6時間透析を受けなくてはならないという訳ではないとは思います。
どこの地域に住んでいても、6時間透析まではやってくれるという選択肢があっても良いのではないか?
患者が望む透析をある程度のレベルまでは受け入れられる状況にあっても良いのではないか?
特に田舎部の透析病院ほど、そういう色んな選択肢が必要なんではないか?
そういう選択できる環境を作って欲しいという観点から、長時間透析を推進したいという思いがあったのです。
逆襲時代から読み進めてくれてる方は、僕の思考の変遷はよく理解してくれてるとは思うんですが、まず僕はドライウェイトが70キロなんですよ。(逆襲時代は69.5キロ)
4時間透析時代の僕のベッドの斜め前には「話好きの人」という知的障害者さん(透析約15年)がいたんですが、「話好きの人」はドライウェイトが35キロ前後なんですよね。(6時間透析になってベッド場所が変わりました)
(^◇^)
僕の約半分(-_-;)
いや、これね、同じ4時間透析でも「話好きの人」は恐らく血液流量(QB)が200だったと思うんです。
僕は280でしたので、同じ透析量ではないですが、Kt/Vは圧倒的に「話好きの人」のほうが良かったはずですよね。
僕が当時、Kt/Vが1.4~1.5くらいでした。
しかし、「話好きの人」は楽々2を超えますね。
同じ4時間透析でも、Kt/Vでは完全に負ける訳ですな。
体格差の問題があるんですよ。
なので、僕としては70キロもある以上、5時間透析以上の透析を受けないといけないのではないか? という疑問を持っていたのですな。
そもそも、70キロと35キロでは、体格を維持するだけの食事量も違いますし。
体重が倍だから、食事量も倍という単純なものでは無いにしろ、僕の体重を維持する量を「話好きの人」が食べれば間違いなく太るでしょう。
逆に「話好きの人」の体型を維持する食事量を僕がすれば、緩やかに痩せていくでしょうな。
先日の勉強会の話題で出したデータでも、体内の体液量の問題が出ましたが、当然、体格によって体液量は違いますから、僕の場合は透析量が多くてもKt/Vでは低くなるというケースがあるのです。
実際ね、透析40年以上の人では小柄な人が目立つ気がします。(あくまで僕の印象です)
これはやはり、体液量の少ない小柄な人のほうが透析量が増えるからではないかと推察できますよね。
体が小さい=食事制限も大変そうだ
という事も言えますし、色々体格で透析の問題が変わって来るのは間違いない事実でしょう。
知り合いの188センチ93キロの人ですと、4時間QB200の透析ではKt/Vが良くて「1.1」くらいにしかならないんですよね。

Kt/Vでも高いから問題では無く栄養の問題でそう言われるのでは?
透析仲間の中には小さくても5時間のオンラインHDFを受けてる患者さんもいて、30年以上の透析生活で今なお元気で頑張っておられます。
Kt/Vは「3」を超えますね。
どうなんでしょう。
本当に小さい人であれば4時間QB200でも、Kt/Vが「3」前後になる人もいるのではないでしょうか。
Kt/Vが高過ぎると予後に問題があるというのは、恐らくは透析量を増やし過ぎると栄養をを引き過ぎてしまう問題があるからではないかと感じます。
確かに体格が小さい人の食事量は大きい人よりも少ないはずで、当然、栄養の問題は立ちはだかりますよね。(栄養素の量も体液量が少ないので、大きい人並みにはいらないと思いますが)
そうなると、体格の小さい患者さんの場合は、そこまで透析量は増やしきれないのではないか? とも言えますね。
そういった観点から「Kt/Vが高過ぎる場合、予後に問題がある」という説が生まれてるのではないかと思います。
まあ、僕のような70キロ以上ある患者さんが6時間透析にしたからと言って、透析量が多過ぎて栄養不足になるという事はまず無いに近いでしょうね。
それなりに食べてないと、体格を維持できませんから。
実際、体重のあまりなさそうな女性患者さんでもオーバーナイト透析や在宅透析で週20時間以上の透析を受けられてる人もいますよ。
しかも元気です。
ちゃんと食べれていて、透析内容でも病院側がある程度工夫していれば、長時間の透析で起きる問題は少ないです。
Kt/V1.4から1.6が適切というのはどこから
なんか病院によっては「Kt/Vが1.4~1.6が適切」という事をおっしゃってるところもあるそうです。
(ある意味、ガイドライン通りとも言えますが)
ん~(-_-;)
それは違う気がしますね。(あくまで僕の印象です。アテになりませんよ(*'▽'))
透析40年以上を実現してる患者さんは「Kt/Vが1.6以上」になるような体格の人も多い気がしますが、偶然なんでしょうか?
確かに極端な話、Kt/Vが「10」とか「20」とかだと問題あり過ぎると思いますが、「3」とか「3.5」とかでは特に問題無いのでは? という気がしますね。
ただ、食の細い高齢患者さんであれば「1.4~1.6」でも良い気もします。
そこら辺は患者さんによって、また疾患や現在の病態によって違ってくるんではないでしょうか?
20代~60代の体格の大きいまだまだ元気な患者さんであれば、6時間以上の透析でKt/Vが2を超えても、そこまで問題があるようには思えませんね。
確かに外国の論文などで、Kt/Vがある一定の所から生存率が下がっているというのがあるんですよね。
それが元になってる気もしますが、日本の場合は違ったデータが出てるという事なので、当てはまらないんではないでしょうか?
透析医学会のガイドラインでは
更に「Kt/V1.4~1.6が良い」というのは透析医学会のガイドライン上にある文言です。
なので、これで問題は無いとも言えますが、それとは別にKt/V1.8までは死亡リスクの低下があるとも書かれてますし、また女性の場合は毒素生産量が多い可能性や尿毒素への感受性が高い問題があり、より高いKt/Vまで死亡リスクが下がると書かれてあります。
元々、外国の(特に米国の)Kt/Vの研究データでは短時間高効率透析(3時間QB500)などのデータが用いられており、日本独自の研究では、長時間透析では優位に死亡リスクが下がる可能性があるとも書かれてます。
体格の問題に関しても体格の大小で違いがあると書かれてますし、Kt/Vでは一定以上で死亡リスクの低減が止まっていて高過ぎても効果が無い一方で、Kt/Vに関わらず透析時間を延ばせば延ばすほど死亡リスクが下がるとなってますね。
そういう意味から透析時間は4時間以上を推奨しております。
実質、日本透析医学会のKt/V指標は最低確保として1.2以上、目標は1.4以上が望ましいとなっており、上限については細かく触れていません。
1.8まで(女性患者さんの場合はそれ以上)は死亡リスク軽減に効果ありとなってますね。
一方で、短時間高血流ではなく、透析時間を延ばして透析量を増やした場合の死亡リスクが下がるという問題に関しては、Kt/Vとは別の指標であるかのような文言になってます。
長時間透析では血圧低下頻度が下がる事や、血圧管理が容易になる事で、死亡リスクが下がるという風に書かれてますね。
考察
結局のところ、Kt/Vの指針の第1歩は、海外のHEMO研究によるもので、そもそも3時間高血流透析を中心としたデータであるために、違いがある事。
日本人は欧米人より体格が小さいために、Kt/Vが高くなってしまう事。
また、日本の透析は世界最高なのだから、海外のデータに当てはめるのが難しい部分もある事。
そういった要素が絡んでますね。
まだまだ、日本の長時間透析の患者数が少なく、臨床データも少ないんですよね。
これから学会などでこのKt/Vの日本人向きの指標も出てくると思います。
明らかになっている事は、日本の現在のKt/V指標は、4時間未満の高血流透析で高くしても予後に繋がらないという事と、ある程度までは優位に死亡リスクが下がるという事だけですね。
一方で、透析時間を延ばしてKt/Vを高めた群では別のデータが出るという事です。
という事は、HD4~4.5時間程度の透析では最低1.2以上、1.4以上が望ましい、5時間以上の透析(短時間頻回透析も含む)ではKt/Vの上限での死亡リスクは当てはまらない、と考えて良さそうです。
そもそも毒素を多く引けた方が良い訳ですが、やはり栄養の問題もあります。
メリット・デメリットの落差の大きい透析より、メリット・デメリットの落差の少ない安定路線を選ぶ日本人らしい考えとも言えますね。
訴訟の問題などもあって、医療従事者さんも頭の痛いところではないでしょうか?
一方、僕が思うように、1つの透析病院で様々な透析に対応出来て欲しいという事も何とかしてほしいですし、それによって色んな研究データが出てくれる事も望ましいのではないでしょうか?
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コメント
コメント一覧 (4)
その印象は、私も同じです。比較的均一な透析条件が設定されてきた日本では、身体の小さい患者の透析量が、相対的に多くなりますから、それが長生きに有利に働いた可能性はあると思います。
>「Kt/Vが高過ぎる場合、予後に問題がある」
Kt/Vの値で患者をグループに分けて、死亡リスクを検討すると、基本的にKt/Vが高いほど、死亡リスクが低くなるという結果になります。ところが、一部の研究において、最もKt/Vの高い群で、この流れから反転して、死亡リスクが高くなる現象がみられたという話ですね。
高透析量の危険性が完全に除外できるわけではありませんが、Kt/Vと体格が逆相関するような関係(体格の小さい人はKt/Vが大きくなりやすい)にあるので、高いKt/Vのグループは、体格の小さい人(痩せた人)が多くなります。数学的な調整をするとしても、体格・栄養などの要因が、死亡リスクが高くなることに関与している可能性は否定できないでしょうね。
ともあれ一般的な透析条件でKt/Vが大きくなってしまう人の高Kt/Vと、透析条件を上げてKt/Vが高くなった人の高Kt/Vは、分けて考えないといけないかもしれません。少なくとも「高Kt/V=過剰透析」と、単純にはいえないでしょう。
>日本透析医学会のKt/V指標は最低確保として1.2以上、目標は1.4以上が望ましいとなっており、上限については細かく触れていません。
学会が上限を規定しなかったのは、ガイドライン策定当時の情報では、いくつ以上が危険と判断できるものが無かったからです。また、透析時間を延ばしてKT/Vを大きくするといった努力に、水を差さないという意味もあります。
なお、女性の方が、より高いKt/Vを目標とした方がよい可能性があるのは、ご指摘のとおりです。具体的な数値としては、断定的にはいえませんが、HEMO研究の事後の解析からは、1.7以上が目安かもしれません。
コメント有難うございます。
とても分かりやすい解説を有難うございます。
あくまで僕の体感ではありますが、以前のKt/V1.4前後の時より、現在の2.2前後のほうが体調が良い事から、Kt/Vの指針として「高過ぎると死亡リスクが上がる」という点について書かせていただきました。
丁度、Facebookグループでも同様の質問がありましたので、透析医学会のガイドラインまで持ち出してきました。
そういう事ですか。
ここ数年で透析における環境も随分と変わってしまわれたのですね。
確かに現在ならば、最低確保1.2以上、1.4以上が望ましいというのも少し弱い気がします。
僕が4時間QB280でKt/V1.4前後出ていた訳ですから、もう少し高いところに設定しても良い気もします。
ところで、とうとうオンラインHDF3時間透析3回転という病院が、オンラインHDF5時間への移行を始めました。
今回の診療報酬改定で透析のあり方が大きく変わろうとしています。
コメント有難うございます。
やはり小柄な人が目立ちますよね。
そして、長く透析を続けられてる人は確かに顔色が白いです。
これは僕も同様のイメージを持ってますね。
上記の山羊先生のコメントでも分かるように、同じ透析量であれば体液量の少ない小柄な人のほうが透析効率が上がる訳でして、そこら辺が関与してるのではないか? と考えて良さそうなんですよね。
僕も6時間透析になって、間違いなく皮膚感が良くなってますね。
顔色の赤黒いのはまだまだですが、腕とかの皮膚は良くなってます。