2018-05-14



このFacebookの投稿にたくさんのコメント有難うございます。

「痴呆?」と答えてくれた昇兄ぃが正解ですな(^◇^)

いわゆる、その時に参加予定だった菅沼先生の演題に合わせたジョークでした。

まあ、「認知症」なんていうのは他人事だ。
と思ってる人は多いと思いますが、実は腎機能の低下そのものが認知症の独立した危険因子であると指摘されているのも確かなんですよね。

えっ(-_-;)



認知症をナメてると危険すぎる


一般的な認知症の危険因子は
*加齢
*人種(非白人)
*低社会経済的状況/低教育
*糖尿病
*高血圧
*脂質異常症

などが挙げられます。

これに対し、腎由来の認知症危険因子とされているのが、
*アルブミン尿
*貧血
*尿毒素の蓄積
*炎症
*酸化ストレス
*血管の石灰化
*低ナトリウム血症

であり、また、末期腎不全治療(血液透析など)に由来する認知症危険因子が
*透析中の低血圧
*脳浮腫(不均衡症候群を含む)
*血栓症、血液過粘

となってますね。

おぅぁ(-_-;)
なんか、めっちゃヤバイ気がする。

ちょっと待って。
ほとんど当てはまってる気がしますね。

要は、腎由来、末期腎不全治療由来の因子をなるべく避けるしか認知症発症を防ぐ方法が無いんですよね。
しかしながら、腎由来、末期腎不全治療由来と言われると、ほぼ全部当てはまってしまうのが血液透析を受けてる患者さんなのです。

透析医学会の統計データの中にも「認知症合併あり」という患者さん比率が9.9%ってなってましたね。

え~っ、避ける方法ないんかい( `ー´)ノ

僕自身は別に認知症になっても問題はないけども、人様に迷惑をこれ以上かけたくありませんからな。

困りましたな。

2018-05-15


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危険因子を減らす血液透析と透析生活


という事は、こういった認知症危険因子の元となる項目をなるべく減らしていくしか方法は無いと言っても過言ではないんですよね。

菅沼先生が提示した資料でも危険因子がたくさんあるけど、ほぼ透析を受けてると当てはまってしまいますから。

認知症発症につながりにくい認知症抑制因子を高めるという生活習慣が大事という事です。

認知症抑制因子
*禁煙
*適度な運動
*生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症など)の適切なコントロール
*短時間の昼寝(30分~1時間)
*高等教育を受ける
*適量の飲酒(赤ワインなど)
*食事(地中海食・青魚・カレーなど)
*飲み物(コーヒー・緑茶)

認知症発症直前に効果的な抑制因子
*運動
*知的活動
*コミュニケーション

おお!
イケルやん。

結構できてるよ~(*'▽')

酒飲んでもいいんや。
あ、適量か(-_-;)

カレー、コーヒー(^_^)

認知症予防の教室などでも、「運動、知的活動、コミュニケーション」というのが重視されるようですね。

更に、透析ではどうしたら良いのか?
というのが気になります。

どうやら、色々方法はあるみたいですね。

お~っ(*'▽')

*腹膜透析(PD)患者さんは認知症発症頻度が有意に低いという報告複数あり
*長時間透析で時間当たりの除水量を減らし血圧低下頻度を下げることが望ましい
*長時間透析群は記憶力が有意に改善するという報告複数あり
*水分制限、塩分制限の効果は高い
*長時間透析・頻回透析で認知関連機能・精神運動機能・作業速度・集中力が有意に改善したという報告あり

お~っ(^◇^)
やはり、透析量は問われますね。
後は時間当たりの除水量。

要は、透析を受ける事で脳萎縮が進むというデータがある一方で、透析歴が長い患者さんほど認知合併が優位に少ないというデータもあり、透析そのものが認知症を促進するのではなく、透析で起こり得る様々な症状に問題がありそうですね。(透析歴の長い患者さんはそういった症状が少ないから元気に生きられる・透析内容や生活習慣に工夫がある)

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2018-05-17 (1)


そう言えば、腎臓病では貧血になりやすいですから、透析でネスプやエリスロポエチンなどの貧血改善の薬剤を使ってるケースが多いです。

長時間透析群はこの薬剤が減少する上にヘモグロビンの上昇があるというデータを出している病院が多いですね。

貧血改善は認知機能低下に効果ありですから、長時間透析のほうが良さそうですよね。

貧血、血圧低下頻度、リン低下、尿毒素除去など結局のところ透析量を増やした方が認知機能改善に役立つという事のようです。

さっきのコーヒーやカレーというのもそうですが、食べたり飲んだりは除水量の問題につながりますよね。

透析を長くやってればみなさん気付いてると思いますが、カレーって水分量多いですから。
(ドライカレーだとカレーの量が減りますし)

そうなると短時間の透析では除水量が増えてしまいますな。

認知機能を下げる脳萎縮を起こす生活習慣になりやすいのは、どちらかと言えば短時間透析群のほうが高いようですね。

という事で、生活習慣と透析そのものの改善で十分防げる事も分りました。


出典・参考資料 2018年5月13日 腎内科クリニック世田谷勉強会・認知症予防を目指した透析ライフ 菅沼信也先生 


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