4時間も人工透析を受けて、それでも透析不足と言われる事にガッカリな方も多いかも知れませんね。

しかし、4時間の透析によって体内で何が起きてるかが分かれば、現代人工透析のレベルでは透析量が全く足りていない事が分かってしまいます。

患者サイドからすれば、透析と透析の間の期間(透析間)で体に溜まって排出できなかった水分の除去のほうに目が行きがちです。

増え幅がいくら?
多い?
少ない?

そんな事ばかり気になりますね(-_-;)



透析は除水だけではない。毒素除去の重要性


僕の透析仲間の1人が、かつて夜間透析を受けていて、透析3時間経過時に早々と除水が完了してしまいました。

増えが少なければそういう事もありますよね。

きっちり増え幅の管理が出来ている仲間でしたからね。

で、その時いた看護師さんが早く帰りたかったからか、そこで透析を終了するか聞いてきたそうです。
夜間透析と言うのもあったからかも知れません。

そういう状況で3時間で透析をやめてしまう患者さんも多いですからね。

しかし、その透析仲間は透析で大事なのは除水だけではなく毒素の除去量でもある事を知っておりました。

なので、頑として4時間の透析をお願いしたそうです。

はい(*'▽')
大正解!

除水に目が行きがちな透析ですが、実際、合併症を引き起こすのは水分だけでなく毒素もですからね。

水分を除去したらそれでOKという事にはなりません。

むしろ、コンスタントに毎回確実に体内の毒素をクリアしていかないと、年数が経過して異所性石灰化(リンとカルシウムが結合して出来たリン酸カルシウムなどによって関節や筋肉、皮膚、肺、心臓そして血管など全身に沈着します。炎症を起こし激しい痛みを伴う場合もあります)や透析アミロイドーシス(タンパク質の一種β2-ミクログロブリンが腱や筋肉、骨などに沈着して炎症を起こし激しい痛みを伴う病。眼球や舌などにも起きる)の原因となってしまいます。

ん?
確か、4時間程度の透析では透析10年くらいから合併症が始まるというような文献をよく見ますよ。

一方で、透析医療界でも有数の先生として有名な神戸の坂井瑠実先生は、
「透析で起きる合併症の大半は透析不足によるもので、透析時間と回数を延ばす事で合併症はほとんど起きにくくなる。」と言ってますよね。

これを知っているか知らないか。

それだけで透析の考え方が変わるかも知れませんね(*'▽')

毒素除去こそ透析では大事な部分かも知れません。(もちろん、除水も重要ですが)

S9



4時間の透析では毒素が除去しきれていない


じゃあ、毒素除去ってどうすれば分かるの? という問題が浮上しますね。

実は、毒素というのは血管内部にいるだけでは無いのですな。

間質や骨格筋、筋肉などにも大量にいます。

透析では、血液内の毒素しか引けませんから、血液データなどを見て尿素窒素(BUN)やクレアチニン、リンなどで判断しがちですが、それはあくまで血液内部の状況に過ぎません。

僕の体には透析12年ですでに肩と首に異所性石灰化があります。

これは長らくやってきた4時間透析で、1回では微量でも年数と共に体内に蓄積してきた毒素などによって出来たものと推察可能です。

ところが透析11年にして昨年の12月から6時間透析に移行すると、体が一気に軽くなり、とても動きやすくなりました。

これは、体内に蓄積され続けていた毒素が少しずつ抜け始めたからではないかと思います。 

つまり、70キロの僕の体では4時間透析では毒素が抜けきらず毎回少しずつ溜まっていったと考えてよさそうです。

え~っ
透析4時間では除去しきれないの~(-_-;)

まあ、そういう事でしょうね。

諸先輩たちを見ましても、長らく4時間・週3回の透析を受け続けてこられた方々の合併症具合を見ますと、大体の方が足腰、首、肩などに何らかの石灰化が起きているようです。

一方、透析仲間の中には20年以上の透析を行っている方もいますが、中には透析20数年でもほとんど合併症を起こしていない仲間もいます。

そういう方に聞いてみると、ほとんどの方は5時間以上の透析や週4回以上の透析を行っていますね。

透析20数年でも元気で今年腎移植された方もいました。
その方は在宅透析でバンバン回していたそうです。

やはり、毒素によって合併症が引き起こされ、透析時間や回数でその毒素の多くを抜く事が出来るのではないかという事ですな。



僕の異所性石灰化体験


ちょうど今から2年ほど前、朝起きたら首を寝違えたような痛みがありました。

ん~(-_-;)
結構痛いな・・・。

そう思って、モーラステープ(湿布薬)を貼ったのですが、痛みが取れるどころかドンドン痛くなってしまい、翌日の夜には痛すぎて寝れなくなってしまいました。

結局、朝まで寝れずタクシーで病院へ向かいましたね。

主治医に判断を仰ぎ、2つの病院へ行って検査を繰り返し、異所性石灰化と診断されました。

あの激痛は忘れもしませんよ。

なにせね、余りの痛さでCTを撮ろうにも横になれません。

昨年、肩に痛みが出た時は、動けなくなる前に病院へ行きました。

もう1日ほっておけば、間違いなく動けなくなったでしょう。

判断基準として、湿布薬を貼って様子見する事を覚えましたね。

通常は数時間で多少は痛みが和らぎますが、異所性石灰化の場合は湿布薬では痛みが増すばかりでした。



残り5分でやめる? 10分延ばしてみる?


こういった事を踏まえますと、簡単に透析時間を短くする事には賛成できませんね。

透析のしんどさに耐えかねて、残り5分で透析をやめるというクセを付けてしまうと、週に15分、4週で1時間、1年53週で13.25時間の損です。

おわっ(-_-;)

4時間透析3回分以上じゃないですか(-_-;)

そりゃ、毒素溜まり放題では無いですか。

そんなに損したらまずいですな。

逆にうまい事言い訳して、透析時間を毎回10分でも延ばしてもらうと、1年で26.5時間の透析時間のアップです。

(^◇^)
4時間透析6回半以上ですよ(*'▽')

なるほど。

そして、僕のように6時間透析をした場合、4時間透析の人に比べて週に6時間も透析時間が多い訳ですよ。

そうすると、4時間透析の人より年間で318時間もの差がつきます(^◇^)

これは4時間透析の79.5回分です。

そりゃ~、体も軽くなるわぁ(*'▽')

そう言えば、在宅透析と施設透析を組み合わせて週に5回のオーバーナイト透析8時間をやってる仲間がいましたな。

めちゃくちゃ元気です。
(走り回ってます)

透析後クレアチニン値が0.99(ここ1年の平均)で、それだともう腎不全とは言えないレベルまで下がってますね。

週に40時間の透析ですからな。

(-_-;)
年間4時間透析371回分も4時間透析の人より透析してる事になりますな。

そりゃ~、走り回れるはずだ(*'▽')



透析の時間の大切さは分かった


このような事を踏まえますと、透析時間の1分がどのくらい大事かが見えてきますね。

この秘密を知り、そして異所性石灰化の恐怖を経験してる僕は、1秒でも多く毒素を抜いて欲しいですよ。

体内と血液中にいる毒素、血液中にいる毒素は10%にも満たないそうです。

透析時間や透析回数を増やす事で、体内から血液に入って来るヤツをしっかり除去できるというのがメリットなのです。

血液データを見て、リンなどで一喜一憂してますが、それはあくまで血液中のヤツですからな。

その10倍以上体内にいる訳ですから。

その毒素たちがいたずらをして、あなたの元気を大きく奪っていくのです。

現在、高い効果を出している臨床例として、在宅透析で週7回の2時間透析というやり方があるそうです。

透析の休み日無し(^◇^)

シャントや血管には影響が大きそうですが、毎日透析する事で毒素が溜まらないらしいです。

透析量として用いられるHDP(Kt/Vに変わる数値と言われてます。70、もしくは72以上が良いとされております)でも「98」という高水準の透析となりますね。

このやり方は僕も興味がありましてね。

実は透析仲間の1人が週6回×2時間透析というのをやってて、興味津々ですな。

とにかく透析時間や回数で、少しでも多く毒素を除去できる事が、元気透析へのもっとも近い道である事は明白ですね(*'▽')



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