*これは、ある透析医の先生の主観とそれに対する僕の考えです。

まあ、透析というのが昔のように儲からなくなったというのは、いまだ知らない患者さんも時々見かけてしまいます。

確かに1980年代頃に一時、今の2~3倍の診療報酬が付いていた事があり、当時の透析病院が見る見る大きくなったりした事で、そういう印象が今でも残っているからです。
透析患者は全て平等であるべきなのか?

そう言えば、僕はほとんど経験が無いのですが、長く透析をしてこられた県内の患者さんの話を聞くと、誕生日や年始などに、プレゼントをくれたりだとか(今でもやってる病院はあります。)そういうのがあったらしいですな。

前病院では、バレンタインデーにチョコが配られたとかはありましたな。

こういうのが、年々縮小していってる感じを受けますね。
これは、診療報酬が厳しくなり、透析医療から儲けが出にくくなったという背景があります。

実際、ある透析医の先生の話を総合しますと、

「送迎」などを行っている病院は儲けがでてるからだ。
もしくは、医師の給料を削って対処してる場合もある。

という事でした。

儲けが出なくなれば、当然ですが送迎なんかは出来ませんね(-_-;)

この透析医の先生は、
「医療は平等性が必要」と考えてる先生なので、感覚が面白いと思います。
と言うのも、僕ら透析を受けてる患者さんというのは、負担額に大差がありません。(透析医療のみ)

ですので、全員に同じような対応をすべきと考えてるのですな。
病院がソコソコ大きくなってくると、全患者さんを送迎する事は難しくなります。
1人の患者さんは自力で通ってるのに、もう1人は送迎しますというのでは、平等性に問題が出るという事で、頭を悩ませているのですな。

人工透析の医療費は自治体によってシステムが異なりますが、香川県の大半の自治体では、透析医療にかかる費用は、(大まかに)貧困世帯2500円、非課税(ほぼ無収入)5000円、収入アリ患者10000円、高額所得者(年収600万円以上)20000円となっており、65歳未満で障害者取得の方に限り、重度身障者扱いで、自治体から返納助成があります。

つまり、仕事をされてない患者さんですと、5000円なのですが、65歳以前から障害者認定を受けていれば、支払い後に自治体からお金が戻ってきます(立て替えシステム)。
一方、障害者認定が65歳を過ぎてからですと、5000円を支払い、返金もありません。

大体、こういうスタイルですので、そこまで大きな医療費負担の差異は香川県では起きません。

問題となるのは、この場合、通院にかかる費用ですな。
ガソリン代や交通費(一部自治体では負担してくれるところもあります)などで、患者に差をつけるのはいかがか? という考えがこの先生にはあるのでしょう。

送迎ですと、利用者は交通費がかかりません。

まあ、こういう問題も、費用を取れば解決するので、僕としては全く問題がないように思うんですけどね。(高額だと払えない患者さんもいるので月2~3千円でも徴収すれば多少は平等性が保たれると思いますが)

この先生の病院では全機オンラインHDF機で、4~5時間の透析を行っているようです。
しかし、この先生の考えでは、オーバーナイト透析などの費用は一部病院の持ち出しによるもので、その部分を4時間透析を受けてる患者さんから補てんせねばならない事に疑問を感じるという話です。

それは違うんじゃないか? というこの先生の考えですな。

まあ、こうした意見に異論がある先生や患者さんはいるとは思いますけどね。
あくまでこの先生は本音でバシバシ言う先生なので、僕はこの先生の講演や出てくる文章を好んで読んだり、聞きに行ったりしております。

例えばですな、2016年の診療報酬改定で、足の診察に100点が付いたのですが、これをこの先生は
「これは医療者へのボーナスと考えている。」と、めっちゃ正直に言うもんで、僕は一瞬でファンになってしまいました。

なかなかここまで正直に言う先生はいませんからな(^◇^)

DSCN1744


オーバーナイト透析の存続問題

オーバーナイト透析のような透析スタイルはほとんどが医療者の熱意に支えられてるものであって、通常はとても厳しいという事です。

僕個人の意見としては、オーバーナイト透析を受けられる患者さんは、ほとんどの方が日中の仕事をされている方ですので、現状で透析患者さんでありながら納税負担額も大きい訳ですから、そこまで不平等になっているとは思わないですけどね。

実は、この先生は先の長時間透析研究会にも行ってたそうなんですが、残念ながら僕は会えませんでした。

残念(-_-;)

長時間透析研究会では、福岡でオーバーナイト透析専門の病院を開設してる先生の演題があったのですが、30床ほどのベッドが埋まっても、利益が出せないという話がありましたな。

ん~(-_-;)
やはり、オーバーナイト透析は利益を出しにくいのか(-_-;)
2018年の診療報酬改定でどうなるか。
何とか利益を出せるようになって欲しいですけどね。


患者の希望にどこまで応えられるか

2018年診療報酬改定の話が出る前の先生の意見でしたので、現状で先生はどう考えるのかを1度聞いてみたいですな。

4時間透析の報酬が下がれば、ますます長時間透析には不利な状態になっていくとの事で、今後、オーバーナイト透析のようなスタイルがどうなって行くかを危惧されていました。

しかし、僕の見立てでは、この辺りにマイナスにならない診療報酬体系が数年かけて出来上がって行くのではないかと言う微かな希望を持っております。

先も書きましたように、オーバーナイト透析は日中に仕事をされて、現状の納税負担額が大きい患者さんが受けている訳ですからね。
僕個人の考えでは平等性は保たれていると考えているので。

そこを考えますと、今後は透析の時間短縮も含め、患者の希望第一で透析時間を決めても良いのかなとも思います。

いや、もうね、時間を短くしたい患者さんは3時間にしてあげたらとか思ってしまうんですが、やはり聞くと除水量の問題なども含め、4時間を最低ライン(一部の患者さんには当てはまらない)として考えたいという先生が多いです。

が、しかし、この先生の言うように、患者の平等性を考えるというのであれば、一方で時間延長したいという患者さんの希望を聞くのであれば、一方で時間短縮したいという患者さんの希望も聞くしかない気がします。

そこは除水量の問題はしっかり説明した上でやれば出来るのではないかと。

僕もね、透析環境の中で長くいて、時々、可哀そうだと思ってしまう出来事もあるのですな。
(平均寿命を超えてるような患者さんや、重症で動けない患者さんなど)
透析で生き伸びていても、苦しいだけになってしまう事もありますからな。

なんかもう、ギリギリの体力で4時間の透析を受けてる患者さんを見ますと、時々心が痛くなる時もあるのですよ(*´Д`)

あれは、QOL(患者の生活満足度)がゼロだよな~。
と思いながら見てるんですが。

ま、とりあえず、この正直にバシバシ言ってくれる透析医の先生は、西日本の先生なんですが、患者の平等性を保ちたい、平等性とは何か? というのを色々考えているようです。

僕的には患者のQOLが同じ程度になるのが平等のような気がするんですが、どうも高齢患者さんのQOLがどうなってるのか? 最近はそこに興味が出て来ております。

僕が80歳で透析導入だったとしたら、透析をどう考えるのか?
生きたいと思うのかどうなのか?
立場が違うので、分からないのですな。

平等性を考えるなら、どうしたって高齢者と若い患者さんでは難しい壁があるような気がしますが・・・。

僕のブログも読んでくれてるようですので、一応僕の意見も書いてみました。

(ま、他院の患者の意見などは気にしないと思いますので(^◇^))


スポンサーリンク