まあ、僕の場合はヘタレ時代もありますんでね。
自分の体の事なのに、頑張る気も無ければちゃんとやろうという気持ちもない患者さんの心の中も何となく分かりますな。

そもそも、末期腎不全で透析が必要という事は、基本的には不治の病という言い方も出来ます。
腎移植などの手もありますが、それはそれでかなりの苦労がありますからね。
透析導入時の第一印象が悪い

「人工透析」が必要な末期腎不全は、やはり「不治の病」で合ってると思います。

なのでね、最初の時点で、この状況をどう感じるかなのですな。

昔は、「がん」なども告知しないケースもありました。
ほぼ不治の病だった時代でしたからね。
「がん」告知で必ずと言っていいほど、
「先生、余命はどれくらいでしょうか?」っていう話になったと思います。

今は「がん」も治せる確率がグ~ンと上がり、普通に告知するようになりました。(一部例外はあります)
まあ、「人工透析が必要になる=余命宣告」のような印象をなぜか持ってしまいがちなのですよ。
そこにポイントがあります。

先天的な病で、子供の頃から透析を受けてるような患者さんも時々見かけます。
そういう患者さんで30年、40年透析を受け続けている人もいますよね。
そういう透析キャリアの長い患者さんが近くにいる場合は、考え方が変わるかも知れません。

残念ながら、僕が透析を始めた頃は、そういう長いキャリアの患者さんが周りにいなかったために勘違いをしていた部分もあるのですな。

えっ!
透析って生きられるんだ(*'▽')
って分かるまでに10年の歳月を無駄にしてきました。

実際、透析医会のデータでも、同じ年から透析を始めた人たちの中で10%前後の人が30年を突破しております。
僕としては、以前はそういう患者さんが周りにいなかったため、「10%も(*'▽')」という感覚です。
昨今は、後期高齢者の透析導入患者さんも多い事から、10%というのがかなりの高確率である事が分かります。
80歳で透析導入して30年だと110歳になってしまいますから。
そういう患者さんはやはりそこまでは長くは生きられませんからね。
そもそもの寿命との絡みもあると思います。

ただ、そういうさ高齢者さんでも、透析にならない患者さんよりも透析を受けてる患者さんのほうが、よほど長生きできるのでは? という感じを僕は受けてます。

というのは、週3回以上も病院に行ってますんでね。
高齢者が陥りがちな「脳梗塞」や「心筋梗塞」や「肺炎」など大きな病気を早めに発見してもらいやすい状況下にいますんで。

案外な事に、透析患者は長生きしやすいのではないかとさえ感じます。

僕にしたって、家系が糖尿病家系なので、透析になってなかったら晩年に糖尿病になってた可能性は高いですな。
透析になったおかげで糖尿病を回避できたとも言えます。
何しろ、ペットボトル飲料が好きでしたからね。
透析になってなかったら、ガブガブ飲みまくる人生になってたかも知れません。

DSCN1238


透析医療は急激な伸びを見せている

近年から透析を受け始めた人はかなり有利です。
どうしても透析は昔の話になりやすいですが、20年以上前ですと、今に比べてかなりレベルは低かったですからね。
ここ10年くらいで、透析医療が飛躍的に伸びてきています。(地方にもその波が押し寄せ始めました)

今、透析時間を延ばしてきている病院でも10年前なら4時間透析が当たり前だったという病院は数多いです。

また、透析機器や透析膜も飛躍的に良くなりました。

今、透析20年以上の患者さんですと、古い時代も体験しての今ですからね。
それで30年、40年の患者さんもいる訳ですから。
いかに、透析で長く生きられるかが分かります。

しかもですな、これまでは患者のほうが透析医療に合わせた食事制限を行っていくのが当たり前でしたが、今後は患者の食生活に透析を合わせていくという飛躍的な発想まで飛び出してきて実践してる病院もあるのです。

という事で、かつての「がん」宣告と同じような、精神の病に陥る可能性も現代透析では大きく下がってきております。

生きられる透析になってきてますんで、感覚が僕のヘタレ時代とは全く違う、前向き患者さんも多く生まれてきてますね(^◇^)

透析でも生きられると分かれば思考も変わって来るだろう

一方で、
「なんで自分の体の事なのに、もっと真剣に取り組まないんだ?」という疑問を持たれる医療者さんもいます。
確かに、たくさんの透析患者さんがいれば、数人はそういう状況になってしまいますね。

でも、そりゃ、どうなんでしょう?
世の中、そんなに頑張れる人ばかりじゃないですからね。

とりあえず食ってさえ行ければ良い的な感覚で、透析生活を送っていたとしてもそれは仕方ないのではないでしょうか?

逆に言えば、医療者さんなのに、医療に熱心でない人もたまにいますよ。
給料もらってやってるんだから、頑張るのが当たり前だ! と言われると世の中世知辛いですわな。

なので、患者さんの中に、自分の病に向き合えない人がいても当然ですわ。

そういう人も許容できなければ民主主義は成り立たない訳でして。

まあ、向き合えない患者さんたちは、最初の透析の印象が悪かったという部分がありますから。
「人生オワタww」的な感じになってしまったのでしょうな。
いや、僕もなってました(-_-;)

だから、そういう疑問を持たれる医療者さんこそ、透析は決して余命宣告ではなく、生きられる医療である事を証明していって欲しいですな。

生きられると分かれば、考えも変わって来る人が出てくるでしょう。
僕もそうでした。

糖尿病性腎症で透析12年、無茶する患者さんでも・・・

原因疾患や透析導入年齢にも左右される事もありますが、やはりいくら高齢で導入したとしても2~3年以内に亡くなられるようでは、イメージが悪くなるばかりですな。

実際に僕の知り合いの患者さんでは、糖尿病性腎症で58歳で透析導入して現在70歳の患者さんがいます。
薬嫌いで、処方される薬を全部戻しますな。
なので、二次性副甲状腺亢進症も進んでますし、骨も弱くなって骨折を繰り返しております。
しかし、杖をついて、今でも自分の足で透析に行ってます。

体重も増えまくり、1か月以上に渡ってDWまで引ききれない状況に陥ってたり、また逆にお腹の具合が悪くなり、ろくに食事出来ない状態で1カ月以上過ごしたりと、患者としては下級戦士状態です。

それでも透析13年目をまだ自分の足で通えている。
左足は感覚が鈍いそうですが、温存できています。

これが現代透析医療ですな。

こういう患者さんですと、病院によっては10年生かす事も出来なかったり、早々と寝たきり患者さんにさせてしまったりという事も起きるでしょう。

ところが、能力の高い病院ですと、そうはなりませんね。
香川の田舎でもそれが出来るんですからな。
時代が大きく変わっていると感じます。

そしてそこから学ぶ患者さんも出て来ます。
ありゃ?
あれだけ無茶してもまだ歩けるんなら、自分も人生はまだまだこれからだな(*'▽') と思える患者さんも出てくるでしょう。

元気な患者さんが多ければ、病院内の空気感が良くなりますからな(^◇^)

僕としては、とても空気感の悪い死神が何体もいるような病院で透析を受け続けた経験もありますんでね。
そういった透析の印象を悪くする病院がなくなって欲しいと思いますな。

前向きな患者さんたちが、頑張って元気な所をいくら見せても、そういう病院があるおかげで、透析医療のイメージがいつまでたっても良くならないのは困ります。
自分達で自分の首を絞めてるのは、一部の患者さんだけではなく医療側にもいますから。
そこだけは分かって欲しいですな。


スポンサーリンク