SNS上には面白い御仁が何人かいますな。

まあ、大体はSNSに入ってくるくらいなので、主張が強い御仁か、そういう主張を見るのが好きな御仁かに分かれます。

今回、ちょっと透析の合併症について書きたいのですが、僕とはあまり関りを持っていない2人の主張の強い方を例に挙げて書いてみたいなと思います。
激しく主張を展開してるAさんとBさんの例

SNSと言っても今回の例に挙げる2人は友人の多いFacebookの方ではありません。

他のソーシャルで展開されてらっしゃる方ですな。

まあ、Aさん、Bさんという事にしときましょう(*'▽')

Aさん、Bさん共に、主張を見てると透析20年~22、23年前後の方と思われますね。
AさんはHD4時間透析、QBについては概念が無いのか表記を見た事がありませんね。
一方、BさんのほうはオンラインHDF5時間、QB250と書いてました。

Aさんのほうは、透析患者の摂生についてかなり厳しく書いておりますね。
透析を受ける上での態度なんかもかなり細かく書いておられます。

一方、Bさんのほうは「のほほ~ん透析」の第一人者とも言えるくらい、明るく陽気ですな。
明るく元気なのが人として1番という考え方のようです。

で、主張では、Aさんはとにかく愚痴だらけですな。
自身が受けてる透析病院のスタッフさんの悪口から(全然働けてないとか)、他の患者さんの態度の悪さとか(セクハラしてるとか、増えまくって言い訳だらけとか)、そういうのが多いですな。
本人さんもそれが相当なストレスになってるようです。

一方、Bさんのほうは愚痴っぽい話がほとんどなく、オンラインHDFの良いところや経験談が中心となってますね。
あまり、病院に対する不満などはなく、患者会活動で署名を何名集めたとかそういった話も多いです。

で、Aさんはガリガリに痩せてますね。
Bさんは僕ほどではないですが、ややぽっちゃり気味です。

Aさんは摂生に対してかなり厳しい事を主張しておられますが、透析20年少々で合併症の嵐となってますね。
しょっちゅう入院したり、透析とは別の病院に診察に行って薬を処方してもらってます。

一方、Bさんの場合は、オンラインHDFとなったここ4年ほどは入院がゼロ。
処方されてる薬もビタミンD導入剤、レグパラ、リン吸着薬(リオナと思われる)の1日3錠のみです。

Aさんは増え幅が常に3%以内を心掛けているようです。
水分制限ではかなりしっかりやってるようですね。
透析中の食事分も含めても2キロ程度の増えの時が多いですな。

一方、Bさんは食事は結構栄養面を考えておられるようで、増えは5%程度までは全然OKと主張されています。
5時間なので、4時間のAさんよりは増えの余裕があるという事ですね。

あはは(^◇^)
もうお分かりですね(*'▽')

どちらの方も年齢は40代と思いますな。

しかし、年数も年齢もほぼ同じ方でありながら、考え方が違うだけで、20年そこそこで合併症だらけ患者さんと、合併症はほとんどない患者さんに分かれてしまいましたな。

つまり、Aさんの透析の考え方に少々問題があるようです。
結果がついて来てない理論をいくら放っても、全くダメですな。
疾患だらけな上に、ストレスだらけで不満を言ってるのしか聞いた事がないというね(-_-;)

誰にでも噛みついてきますよ(^◇^)
まあ、これも噛みつかれると思いますけどね(-_-;)
しかし、結果の出ないやり方を主張しても無意味なのでね。

Bさんのほうが結果が出てますね。

ん~(-_-;)
そう言えば、先日の長時間透析研究会でも話が出たんですが(-_-;)

増えが多くて罰則的に時間延長などをやってきた患者さん(あくまで時間延長してた事が重要)のほうが、ストイックに摂生をやって4時間しか透析を受けてない患者さんより、元気で合併症が少ないという事例が山ほどあるというね。

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増え過ぎて仕方がないから時間延長した患者さんの予後が良過ぎる

おお!
神戸の坂井瑠実先生も似たような事を言ってますね。

30年以上も透析をしてきて、食事の量が少なく管理がうまくいっていた人のなかには、やせていて、合併症をたくさん持っている方がいます。皮肉なことですが、食事管理が良くできている人ほど、長期になると栄養障害になり、免疫力も低い身体になってしまうんですね。

実は、長年透析をしている人のなかで、いつも食べ過ぎてしまい、しかたがないから透析時間を延長したという人たちが、今とても元気 なんです。しっかり食べて、透析の量が多かった人は予後が良いのです。
うみ 教えてドクター 第2回 合併症についてより引用


これが意味するモノは何か? という事ですな。
確かに食べまくるけど、透析時間を延ばさなければ弊害は起きます。
そもそも透析不足なのに、一人前に食べてしまえば必ず体のどこかが悲鳴を上げてしまいますね。
透析では、いかに体内の毒素を抜くかがキーになってるようです。
つまり、血液中の毒素ばかりを多くを抜いてる4時間透析では体内の毒素は十分引けていないという事ですな。
で、摂生をしっかりやっていれば、血液データだけが良くなり、一見素晴らしいとなるんですが、実際は体内の毒素が残ったままで、更に激しい摂生のせいで栄養障害となってしまうので、免疫力が下がり合併症のオンパレードとなってしまうんですよね。

逆にオンラインHDFで5時間透析をやってるBさんの場合、QBも250と通常よりも高く、恐らく補液量もかなり多いのでしょうな。
しっかり毒素が引け、よく食べるので栄養障害は起きない上に、免疫力も高いのでしょう。
実際に合併症らしき事が起きないし、血圧低下の頻度も少ないようです。

後ね、盲点が1個あるんですが、「増え過ぎ」の原因が飲み物の場合は例外となります。
食べて増えてる分には良いのですが、飲み物の量で増えてる場合は栄養になってませんからな。
あくまで食べて増えてる上で、透析時間を延ばしているという2点が重要ですな。

つまり、時代がすでに変わっているという事ですな。
御二方とも20年以上も前から透析していた訳です。
20年前のやり方と、現在でははっきり違いが出ているのに、時代に即応してるBさんと、昔のやり方に固執しているAさんで、予後に圧倒的差がついてしまったという典型です。

小さな事にこだわり、ストレスまみれになってるAさん。
小さな事に一切こだわらず、ストレスの少ない生活をしているBさん。

ここにも、予後の差が表れてると思います。
僕は精神面でも違いが表れると断言してますからな。
長期透析者は温厚で物腰の柔らかい人が多いと感じております。

一方で短気でイライラしまくってる人は、合併症だらけで唸りまくってますな。

ここにも着目して欲しいです。

血液データのみで一喜一憂できない部分がある

要は、4時間透析でしっかり摂生をしていれば、血液データが抜群に良くなるのですな。
これが盲点の1つです。
血だけ綺麗になって、体内の毒素は残されたままという目に見えぬ障害を受けてる事になります。
しかも栄養が足りてないので、免疫力が低い体を作り上げてしまってますから。
ちょっとした病が長引いてしまい、体に大きく影響するのですな。

これはBMI25くらいのぽっちゃりさん(僕が大体そのくらいです)のほうが透析では長生きするというデータに直結している気がしますね。

つまり、体脂肪を付けておけ作戦とも言えます。

というのは、透析ではやがては異所性石灰化やアミロイドーシスなど、激しい痛みを伴う病になる事が多いです。
その場合、痛み止めが処方される事になりますね。
これが厄介ですな。
実は、僕の知り合いでもこういった激しい痛みで痛み止めを処方され、そのせいで胃や腸から大出血
し、その後入院で絶飲絶食が1週間以上となった患者さんが何人もいます。

こういう状況では5キロ以上体重が落ちてしまいます。
また、その間も透析は受けますから、食べれない上に透析で栄養も抜けますので、確実に栄養障害を引き起こします。

しかし、そうした状況でもその後、予後が復活する人は、その時点である程度体脂肪を持っていた方なのですな。
一方、そういう絶飲絶食が求められる疾患となった時に、すでにガリガリだった患者さんの多くは、その後に大きな影響をうけてしまい、一気に予後が悪くなって生死の境まで行ってしまう事が多いように見受けられます。

透析を受け続けるという事で、年数と共に大きな疾患を受ける機会は何度かあると思います。
この時に、体脂肪が活躍する訳ですな。
BMI25というのは、やはり太り過ぎれば健康に良くないし、痩せすぎても駄目という事で、こういった透析患者の疾患に対応していくのにギリギリの太り方なのではないかと感じます。

人工透析の合併症

さて、透析の合併症とはなんぞや?
という基本的な話になるんですが(-_-;)

手根管症候群とかは一概に透析の合併症とは言い切れぬところもありますね。
健康な方でもよくなってますよね。
僕の知り合いの透析とは関係ない方でも3人も手根管症候群で手術された方がいます。

なので、透析のせいでなったかは分かりません。
透析で手根管症候群になりやすいのは確かですが、なったから透析のせいかは微妙ですな。

人工透析での合併症の定義は難しくありません。
末期腎不全で起きる全ての病が合併症と言えると思います。

血管、骨、血圧などが挙げられると思います。

*リンやカルシウムバランスが崩れる事による動脈硬化。
*同じくリンやカルシウムバランスで骨が弱くなる。
*高血圧や低血圧、貧血などの諸症状。
*薬の服用による副作用。
*アミロイドーシスなどの腱や骨の炎症。
*免疫力低下による感染症(肺炎など)。

この辺りが人工透析の合併症と言えるのではないかと思いますね。

他にも、「痒み」や「むずむず脚症候群」など細かく言えばかなりあります。

こういった合併症がほとんど起きないという人工透析が、現在は可能となっております。
できるだけリスクを少なくするというやり方ですな。
4時間透析では透析量が足りていなくて、こうした合併症が次々と出て来ます。
せめて30分でも延ばして欲しいところですが、病院によってはそういう時間延長をさせてもらえないという、患者の予後は一切考えぬ病院もあります。

5時間透析には、現時点でも診療報酬があります。
ですので、4時間から5時間透析への変更は(HDに限る)病院としても損失はほとんどありません。
(オンラインHDFは現時点で時間区分が無いため、時間を延ばせば延ばすほどコストがかかります)

ですので、出来るだけそういった合併症の起きにくい透析をしてくれる病院で透析を受ける事を進言します。
これは自分自身の人生がかかってます。
合併症で唸るのは誰でも嫌ですよね。
僕も首と肩に異所性石灰化を持ってますので、あの激しい痛みは2度と経験したくありません。

そういう合併症が起きにくい透析を目指す事がQOLを高めます。
確かに透析時間を延ばす事はそれだけ透析にかける時間が増える訳ですが、遠くの病院へ通う事になってもやるべきですね。
明らかに予後に差が出ている現状がありますから。

何しろ、食事制限が緩やかになるというのがとても有難いです。
仕事をしていれば、健康な方との食事なども外せない場合もありますが、僕のように6時間の透析を受けていれば、3キロ除水程度は楽ですね。
十分対応できる上に、合併症も起きにくくなる。

僕自身も6時間透析を2週間受けましたが、あれだけ悩みだった透析中の血圧低下が1度も起きていません。
はっきり、違いが表れてますのでね。
こうした事も頭に入れ、透析病院を患者のほうから選んでいく事が大切になっていこうかと思いますね。
また、現代透析に思考をシフトしていくのも重要かと思います。
いつまでも昔のやり方に固執していると合併症だらけで唸る事になりますよ(;'∀')


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