ちょっと間が空いちゃいましたが、【人工透析の合併症】について考える パート3に行きましょうか~(*'▽')
って言うか、間が空き過ぎですから!
まあ、夏風邪をひいたり、仕事が忙し過ぎてヘトヘトでしたのでね。
という私も、週4回の透析がスタートしたせいで、時間があまりなかったんですけどね。
仕事と透析を両立してると、時間(余暇)があまりありませんんからな。
じゃあ、続きですな。
まずは、パート1で出した4大合併症を見てみましょう。

なんか懐かしい気が・・・
6月以来ですからな(^◇^)

今回は、最終章(ほんとか?)として、この「アミロイド症」と「サルコペニア」の話となります。
まず、「アミロイド症」なんですが・・・
「透析アミロイドーシス」と言われる合併症ですね。よく聞く病名ですが、まだなったことが無いため、よく分からないんですよね。
一般に言われているのは、「β2-ミクログロブリン(ベータツーミクログロブリン/ベータツーマイクログロブリン)」というたんぱく質の一種が、透析では除去しきれず、骨や腱に付着して炎症を起こす症状です。
長く透析されている人に見られる症状ですが、僕が今回取り上げたいのは、「アミロイド症」だけではなく、リン酸カルシウム等の血管内付着や、「CKD-MBD」の骨ミネラル代謝異常も含めて考えたいと思います。
人工透析では、除去しきれなかったりして、過剰に溜まって体内でイタズラする成分がいくつかありますよね。
代表的なものとして「β2ミクログロブリン」が取り上げられますが、近年では週に15時間以上の透析をされている患者さんも増えて来ておりまして、「β2ミクログロブリン」は比較的低い値になっている患者も増えております。
という事で「β2ミクログロブリン」由来の「アミロイド症」で肩や首、背中や臀部などに大きな炎症を起こしている患者さんは減っておりますよ。
朗報ですね!
一方で、「CKD-MBD」の問題はあります。(「アミロイド症」と「CKD-MBD」は別の病気ですが、今回は同じ括りとして考えて行きます。)
1990年以前みたいに「二次性副甲状腺機能亢進症」が進んで、副甲状腺の除去手術をするケースは大幅に減っておりますが、「CKD-MBD」が進んで、骨が弱くなるケースは、透析寿命が延びるとともに可能性が上がるため注意が必要なんですな。
「CKD-MBD」の問題に関しては、昔書いておりますので、読んでみて下さい。
あ、これかぁ。確か、リンを抑えて、カルシウムを上げる必要があるとかなんとかいう話でしたっけ。
カンタンに言えば、そういうことです。
そもそも腎機能が弱いと、リンの排出が追いつかず、リンの値が高くなりやすい特徴があります。
さらに、腎機能には活性型ビタミンDを生成する能力があるのですが、腎不全によりこの能力が低下している透析患者さんは、十分なビタミンDがないため、カルシウムが低下しやすくなります。
この2点から、透析を受けておられる方の大半は、リンを下げる「リン吸着薬(カルタン、レナジェル、ホスレノール、キックリン、フォスブロック、リオナ、ピートル、フォゼベル等)」を服用されており、
また、カルシウム値を上げる「ビタミンD誘導剤(アルファロール、ワンアルファ、カルシトリオール、ロカルトロール、エディロール等)」 も処方されてる方が多いと思います。
飲んでますー。

リンとカルシウム、そしてPTHインタクト
カルシウムは低くなり過ぎると、骨からカルシウムを取って代用するということが起き、骨がスカスカになります。
骨粗鬆症ですかー?
そうですね。
ですので、「CKD-MBD(腎臓病に伴って起こる骨ミネラル代謝異常)」と、言われている訳です。
この「CKD-MBD」と「PTHインタクト」はどういう関係なんですか?
皆さんの血液検査の中にある「PTHインタクト」ですが、これは副甲状腺(甲状腺とは別です)というかなり重要な臓器(のどの横ら辺にある)から出ているホルモンの値ということになります。
「PTHインタクト」が高い状態が続くと、副甲状腺が肥大していき、手術が必要になる場合があります。

この副甲状腺が頑張って働くことで、不足するカルシウムを補い、リンを下げようと排出を促す訳ですが、それでもカルシウム値が下がると、骨から不足するカルシウムを補おうとするのです。
こうなると「二次性副甲状腺機能亢進症」と言われ、血液データの「PTHインタクト」が高くなると、医師より、オルケディアなどの処方がなされます。
このオルケディアは、PTHインタクトを下げ(副甲状腺ホルモンの分泌を抑制)、副甲状腺の肥大化を防ぎ、カルシウム値を下げるといった効果があります。
ふーむ。
ま、要は、「リン」を3.5~5.5mg/dL、「カルシウム」を8.4~10.0mg/dL、「PTHインタクト」を60~240pg/mLくらいで安定させることが、こうした「CKD-MBD」(骨ミネラル代謝異常)の問題をなるべく起きないようにする鍵となっています。
カンタンに言いますが、それってなかなか難しいのではないですか?
ですよね~(*'▽')
誰も、リンを上げようとは思っていないし、PTHインタクトを上げようとも思っていないですからね。
なぜか上がるのがリンやPTHインタクトですからな。
透析患者の宿命と言ってもいいのではないでしょうか?
ですな。
ただ、それを防ぐ手立てはいくつかあります。
なごみちゃんの血液データを教えて欲しいのですが、週3回1回4時間の透析と、週3回1回5時間の透析、そして今の週4回1回4時間の透析でのリンの値の平均値はどのくらいですか?
前もって準備しておきました。
おお!
都合の良いデータが出ててワロス(^◇^)
リンに関しては、透析時間を延ばせば、カンタンに下がりますな。
そう言えば、トシさんみたいに週に18時間も透析してたら、リンはむしろ下がり過ぎるので、ガンガンとリン含有率の高い食事をしているという話でしたよね。
そうです。
問題はカルシウムのほうかも知れませんな。
カルシウムが沢山入ってる食べ物をガンガン食べれば良いのでは?
それがですな・・・(-_-;)
カルシウムの場合は、上がり過ぎると他の弊害がある訳です(>_<)
なんですとっ!
血液中や腱などにカルシウム石灰化が起きます。(リンとカルシウムが結合したリン酸カルシウムが作られ、血管や腱などに付着して「ばね指」等の炎症を起こす。心血管に付着して心臓に甚大な影響を与える場合もあります。透析寿命に直結する症状と言われている。)
まあこれ、僕自身のエビデンスということになるのですが・・・。
昨年(2024年)の10月に透析液が「キンダリーAF2」から「キンダリーAF3」に変わりました。
在宅血液透析ならではの話なので、病院で透析を受けてる方は分かりにくい話ですが、

イラストの赤矢印の上の青囲いの部分が透析液(A液、B液の2つ)になりますが、この透析液「キンダリーAF2」が「キンダリーAF3」に変わった事で、透析液中のカルシウム濃度が少し下がりました。
それによってなのか、右手のばね指(人差し指、中指、薬指)の炎症が、少し軽減し、痛みや引っかかりが軽減してきています。
カルシウム値自体も、透析液が変わってから少し下がっていますね。
8.8mg/dL前後から、現在は8.4mg/dL前後くらいになってます。
んっ? カルシウム値は8.4~10.0mg/dLですから、ギリギリですね。ビタミンD誘導剤が欠かせない感じですか?
ですね~(*'▽')
「カルシトリオール」が処方されてしまいました(>_<)
正常範囲(望ましいとされてる数値・諸説あります)
リン 3.5~5.5mg/dL
カルシウム 8.4~10.0mg/dL
PTHインタクト 60~240pg/mL
と言われている、この値を上手に維持していくのが1番効果があります。
リンはもう少し低くても良いって言われてると聞きました。
ですね~(*'▽')
リンはかなり所説あります。
単純に「CKDーMBD」の問題だけを考えるのであれば、リンは3.5~4.5mg/dLが良いという先生もいますね。
そのくらいだと、ほとんど「CKDーMBD」の問題が出ないと言ってました。
そもそもが、体に重要なミネラル成分ですので、最低限必要です。
ただし、透析を受けている方は過剰なリンを尿から排泄できなくなっているので、溜まったリンが悪さをしてしまう訳ですな(>_<)
トシさんの現在の血液データはどんな感じですか? 在宅血液透析だとどのくらい違うのでしょう。
8月の血液データで言いますと、
中1日での透析前データで、
リン 3.7mg/dL
カルシウム 8.0mg/dL
PTHインタクト 107pg/mL
カルシウムが少し低いですが、あまりに理想的なデータで面白くないわー。あんなに食べまくってるのに。
それだけ、頻回透析(週6回の透析)の効果が大きいという事ですな。
そう言えば、透析看護経験30年以上という看護師さん、透析看護経験40年という看護師さんなど、最近そういう長く透析に携わってきた方々と話す機会が増えているんですが、皆さん、口をそろえて言うことがあるんですよ。
どんなことですか?
「頑張って節制してる患者より、しょっちゅう怒られてるような、増える(体重が)患者のほうが、基本的に長生きしてる印象がある。」ということです。
えーっ! ほんとですか?
まあ、もちろん例外はありますよ。
ちゃんと栄養のバランスが摂れてる人なのか? ただ単に水分だけで増え過ぎてるのか? など、増えてる理由は千差万別です。
それと、増える患者と言っても、限度はありますからな。
要は、次のサルコペニアにも繋がりますが、結局、人間というのは、
「食べられなくなったら終わり」という事ではないでしょうか?
2000年以降、「人工透析」では、
「しっかり食べて、しっかり透析」ということが言われております。
アミロイド症や、異所性石灰化、CKD-MBDの問題などが起きて悪化した場合、動けなくなるために筋肉低下が起きます。
動けない体では、代謝能力がないため、たくさん食べられません。
ですので、十分な透析をしようにも、透析では栄養も抜けますから、透析が不十分になりやすい。
透析を受け続けていくには、不都合な状態になってしまうのですな。
たくさん食べ、たくさん透析をして活力を上げ、運動することで、代謝も良くなる。
栄養も十分、免疫力も人並みにある。
そんな状態を作り上げることが、人工透析の合併症を防ぐ手立てとして有効と言えるのではないでしょうか。
長いキャリアを持つ看護師さんたちは、なぜ、
「頑張って節制してる患者より、しょっちゅう怒られてるような、増える(体重が)患者のほうが、基本的に長生きしてる印象がある。」という本音を語ったのでしょうね?
う~ん・・・。透析の常識が変わってきているということでしょうか?
在宅血液透析を受けてる透析仲間達にはたくさん出会いました。(SNSの中だけの付き合いの方も含めて)
その中で、多くの方が驚くくらい元気に仕事と透析を両立し、社会の中で活躍しております。
明らかに透析の常識が変わってきてますね。(なごみちゃん、正解!)
1970年代、1980年代にも、バリバリ働く透析患者さんたちはいたのですが、もっと皆さん、必死だったし、ボロボロになりながら歯を食いしばって頑張ってきた記録がアチコチで残っていますよね。
今、そういう患者さんより、
「本当にこの人は透析を受けているんだろうか?」と思えるくらい、人生を謳歌している人がいるんですな。
現代透析の結果がこれなんだと思います。
確かに私も数年前の週3回4時間透析の時代から考えてみると、格段に元気に生きられるようになった気がします。友人や同僚からも、
「顔色が良くなった。」
「肌がキレイになった。」
「明るくなった。(性格が)」と、言われる事が何度かありましたね。
ですよね~。
僕も、昔を知っている人から、似たような事を言われます。
4大合併症の4番目は「サルコペニア」ですが、透析不足や栄養バランスの悪さなどで、免疫力が低下したり、透析の合併症で動けなくなったりする事で、筋力の著しい低下が起こる症状の事です。
透析量を少なくして、過度の節制をするという選択は、基本的にこの「サルコペニア」まで症状を悪化させていく可能性があります。
時代が変わって、どんどん透析量を上げている時代に、古い透析知識で透析をやっていると、旧来の透析合併症が襲い掛かってくるという事ですか?
そうなんですよ。
例えば、「むずむず脚症候群」は透析不足で起こる代表的な透析合併症ですが、夜に起きることが多く、深夜に家の中(もしくは外を)を歩き回らないと落ち着かないというような激しい症状が出る場合もあります。
いまだにこんな「むずむず脚症候群」をかかえて、精神的にしんどくなっている患者さんを見かける事があります。(僕の周辺で「むずむず脚症候群」で悩んでる患者さんはほとんどいなくなりましたが)
「むずむず脚症候群」は、透析量を増やせばほとんど起きないですから、こういう症状を出してる透析病院の診療方針に問題があるということなのでしょうね。
そうです。
すでに「むずむず脚症候群」の治療エビデンスはある訳ですよ。
患者に何らかの症状が起きた場合、どんな医師でも、薬や手術などで治療をし、そういう症状を起きないようにするか、緩和させるのですが、
エビデンスがあるのに、「むずむず脚症候群」の患者さんの透析量を延ばさないのは、治療を放棄しているのと同じですからな。
確かに。そんな医師に診てもらってたら、治るものも治りませんし、透析を受けていても楽しく人生を過ごせることはないと思います。
まあ、ほとんどの透析医の先生は、よく勉強されてますし、そんなことは無いんですが、たまに不勉強な先生もいますからな。
まあ、どこの業界でも優秀なビジネスマンもいれば、そうでない人もいます。
ですよねー。おかしな人はどこの会社にでも1人くらいはいます。
どこの病院で透析を受けるかは患者の自由ですからな。
ちゃんと勉強して正しい治療をしてくれる先生のもとで透析を受けることも、患者の大事な選択です。
僕自身も透析20年目ですが、移住(香川県⇒神奈川県)とかもあったにしろ、すでに5病院目(入院透析もいれると7病院)です。
私も3病院目となりましたー。
ですね~(*'▽')
今、なごみちゃんがいる病院の看護師長さんと主任看護師さんは、僕も学会で会った時に少し話をしてますし、すごく細部にまで目配りできるベテラン看護師さんですよね。
担当の先生とは話したことはないですが、2017年の長時間透析研究会で、興味深い発表をされてました。
そういう風に、優秀なメディカルスタッフさんのいる病院で透析を受ける事は重要です。
それは私自身も痛感してます。
ですよね。
病院で受ける通院血液透析で、週3回透析を週4回にしてくれる病院なんて、僕の知る限りでは全国に10病院くらいしかありません。(もう少しあるかも。推測で20病院くらいか?)
透析病院(クリニック含む)は全国に3500病院以上あるそうです。
その中で、週4回という元気透析のエビデンスの高い治療をしてくれる病院に当たるっていうのは物凄いですな。
世界陸上の男子100M走で、日本人がファイナルに残るくらい難しい確率です。有難過ぎて、足を向けて寝れません。
ははは(^◇^)
ただまあ、さっきの「むずむず脚症候群」で悩んでる患者さんに、透析量を延ばす提案をしてくれる病院は年々増えてますね。
有難い限りです。
という事で、4大合併症の話をしてみましたが、結局は、正しい透析治療、正しい食生活、程良い運動等で、合併症の確率を大幅に下げることは可能ではあります。
ただし、長く透析を受け続けることで、確率を上げてしまう合併症ばかりですので、その症状と対処法を詳しく知っておくことは重要です。
透析仲間が、
「透析の合併症の話は、地域の患者会などでイヤというほど聞いた。」という事も言っておられましたが、地域の患者会で地元の先生を呼んで、勉強会などを開いてることも多いです。(患者会の規模にもよりますが)
そういう機会があれば、1度行ってみると良いかも知れませんね。
私も1度行ってみようかな。今の病院の患者会には入っていますが、県の患者会の勉強会などには1度も行ったことがないんですよね。
ぜひぜひ~(*'▽')
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まあ、夏風邪をひいたり、仕事が忙し過ぎてヘトヘトでしたのでね。
多岐にわたるアミロイド症
仕事と透析を両立してると、時間(余暇)があまりありませんんからな。
じゃあ、続きですな。
まずは、パート1で出した4大合併症を見てみましょう。

6月以来ですからな(^◇^)

今回は、最終章(ほんとか?)として、この「アミロイド症」と「サルコペニア」の話となります。
まず、「アミロイド症」なんですが・・・
一般に言われているのは、「β2-ミクログロブリン(ベータツーミクログロブリン/ベータツーマイクログロブリン)」というたんぱく質の一種が、透析では除去しきれず、骨や腱に付着して炎症を起こす症状です。
長く透析されている人に見られる症状ですが、僕が今回取り上げたいのは、「アミロイド症」だけではなく、リン酸カルシウム等の血管内付着や、「CKD-MBD」の骨ミネラル代謝異常も含めて考えたいと思います。
人工透析では、除去しきれなかったりして、過剰に溜まって体内でイタズラする成分がいくつかありますよね。
代表的なものとして「β2ミクログロブリン」が取り上げられますが、近年では週に15時間以上の透析をされている患者さんも増えて来ておりまして、「β2ミクログロブリン」は比較的低い値になっている患者も増えております。
という事で「β2ミクログロブリン」由来の「アミロイド症」で肩や首、背中や臀部などに大きな炎症を起こしている患者さんは減っておりますよ。
一方で、「CKD-MBD」の問題はあります。(「アミロイド症」と「CKD-MBD」は別の病気ですが、今回は同じ括りとして考えて行きます。)
1990年以前みたいに「二次性副甲状腺機能亢進症」が進んで、副甲状腺の除去手術をするケースは大幅に減っておりますが、「CKD-MBD」が進んで、骨が弱くなるケースは、透析寿命が延びるとともに可能性が上がるため注意が必要なんですな。
「CKD-MBD」の問題に関しては、昔書いておりますので、読んでみて下さい。
カンタンに言えば、そういうことです。
そもそも腎機能が弱いと、リンの排出が追いつかず、リンの値が高くなりやすい特徴があります。
さらに、腎機能には活性型ビタミンDを生成する能力があるのですが、腎不全によりこの能力が低下している透析患者さんは、十分なビタミンDがないため、カルシウムが低下しやすくなります。
この2点から、透析を受けておられる方の大半は、リンを下げる「リン吸着薬(カルタン、レナジェル、ホスレノール、キックリン、フォスブロック、リオナ、ピートル、フォゼベル等)」を服用されており、
また、カルシウム値を上げる「ビタミンD誘導剤(アルファロール、ワンアルファ、カルシトリオール、ロカルトロール、エディロール等)」 も処方されてる方が多いと思います。

リンとカルシウム、そしてPTHインタクト
カルシウムは低くなり過ぎると、骨からカルシウムを取って代用するということが起き、骨がスカスカになります。
そうですね。
ですので、「CKD-MBD(腎臓病に伴って起こる骨ミネラル代謝異常)」と、言われている訳です。
皆さんの血液検査の中にある「PTHインタクト」ですが、これは副甲状腺(甲状腺とは別です)というかなり重要な臓器(のどの横ら辺にある)から出ているホルモンの値ということになります。
「PTHインタクト」が高い状態が続くと、副甲状腺が肥大していき、手術が必要になる場合があります。

この副甲状腺が頑張って働くことで、不足するカルシウムを補い、リンを下げようと排出を促す訳ですが、それでもカルシウム値が下がると、骨から不足するカルシウムを補おうとするのです。
こうなると「二次性副甲状腺機能亢進症」と言われ、血液データの「PTHインタクト」が高くなると、医師より、オルケディアなどの処方がなされます。
このオルケディアは、PTHインタクトを下げ(副甲状腺ホルモンの分泌を抑制)、副甲状腺の肥大化を防ぎ、カルシウム値を下げるといった効果があります。
ま、要は、「リン」を3.5~5.5mg/dL、「カルシウム」を8.4~10.0mg/dL、「PTHインタクト」を60~240pg/mLくらいで安定させることが、こうした「CKD-MBD」(骨ミネラル代謝異常)の問題をなるべく起きないようにする鍵となっています。
ですよね~(*'▽')
誰も、リンを上げようとは思っていないし、PTHインタクトを上げようとも思っていないですからね。
なぜか上がるのがリンやPTHインタクトですからな。
ですな。
ただ、それを防ぐ手立てはいくつかあります。
なごみちゃんの血液データを教えて欲しいのですが、週3回1回4時間の透析と、週3回1回5時間の透析、そして今の週4回1回4時間の透析でのリンの値の平均値はどのくらいですか?
なごみ リン検査結果
週3回1回4時間(週12時間) 5.07mg/dL
週3回1回5時間(週15時間) 4.16mg/dL
週4回1回4時間(週16時間) 3.60mg/dL
おお!
都合の良いデータが出ててワロス(^◇^)
リンに関しては、透析時間を延ばせば、カンタンに下がりますな。
そうです。
問題はカルシウムのほうかも知れませんな。
それがですな・・・(-_-;)
カルシウムの場合は、上がり過ぎると他の弊害がある訳です(>_<)
血液中や腱などにカルシウム石灰化が起きます。(リンとカルシウムが結合したリン酸カルシウムが作られ、血管や腱などに付着して「ばね指」等の炎症を起こす。心血管に付着して心臓に甚大な影響を与える場合もあります。透析寿命に直結する症状と言われている。)
まあこれ、僕自身のエビデンスということになるのですが・・・。
昨年(2024年)の10月に透析液が「キンダリーAF2」から「キンダリーAF3」に変わりました。
在宅血液透析ならではの話なので、病院で透析を受けてる方は分かりにくい話ですが、

イラストの赤矢印の上の青囲いの部分が透析液(A液、B液の2つ)になりますが、この透析液「キンダリーAF2」が「キンダリーAF3」に変わった事で、透析液中のカルシウム濃度が少し下がりました。
それによってなのか、右手のばね指(人差し指、中指、薬指)の炎症が、少し軽減し、痛みや引っかかりが軽減してきています。
カルシウム値自体も、透析液が変わってから少し下がっていますね。
8.8mg/dL前後から、現在は8.4mg/dL前後くらいになってます。
ですね~(*'▽')
「カルシトリオール」が処方されてしまいました(>_<)
正常範囲(望ましいとされてる数値・諸説あります)
リン 3.5~5.5mg/dL
カルシウム 8.4~10.0mg/dL
PTHインタクト 60~240pg/mL
と言われている、この値を上手に維持していくのが1番効果があります。
ですね~(*'▽')
リンはかなり所説あります。
単純に「CKDーMBD」の問題だけを考えるのであれば、リンは3.5~4.5mg/dLが良いという先生もいますね。
そのくらいだと、ほとんど「CKDーMBD」の問題が出ないと言ってました。
そもそもが、体に重要なミネラル成分ですので、最低限必要です。
ただし、透析を受けている方は過剰なリンを尿から排泄できなくなっているので、溜まったリンが悪さをしてしまう訳ですな(>_<)
8月の血液データで言いますと、
中1日での透析前データで、
リン 3.7mg/dL
カルシウム 8.0mg/dL
PTHインタクト 107pg/mL
それだけ、頻回透析(週6回の透析)の効果が大きいという事ですな。
そう言えば、透析看護経験30年以上という看護師さん、透析看護経験40年という看護師さんなど、最近そういう長く透析に携わってきた方々と話す機会が増えているんですが、皆さん、口をそろえて言うことがあるんですよ。
「頑張って節制してる患者より、しょっちゅう怒られてるような、増える(体重が)患者のほうが、基本的に長生きしてる印象がある。」ということです。
サルコペニアと透析医療の進化
まあ、もちろん例外はありますよ。
ちゃんと栄養のバランスが摂れてる人なのか? ただ単に水分だけで増え過ぎてるのか? など、増えてる理由は千差万別です。
それと、増える患者と言っても、限度はありますからな。
要は、次のサルコペニアにも繋がりますが、結局、人間というのは、
「食べられなくなったら終わり」という事ではないでしょうか?
2000年以降、「人工透析」では、
「しっかり食べて、しっかり透析」ということが言われております。
アミロイド症や、異所性石灰化、CKD-MBDの問題などが起きて悪化した場合、動けなくなるために筋肉低下が起きます。
動けない体では、代謝能力がないため、たくさん食べられません。
ですので、十分な透析をしようにも、透析では栄養も抜けますから、透析が不十分になりやすい。
透析を受け続けていくには、不都合な状態になってしまうのですな。
たくさん食べ、たくさん透析をして活力を上げ、運動することで、代謝も良くなる。
栄養も十分、免疫力も人並みにある。
そんな状態を作り上げることが、人工透析の合併症を防ぐ手立てとして有効と言えるのではないでしょうか。
長いキャリアを持つ看護師さんたちは、なぜ、
「頑張って節制してる患者より、しょっちゅう怒られてるような、増える(体重が)患者のほうが、基本的に長生きしてる印象がある。」という本音を語ったのでしょうね?
在宅血液透析を受けてる透析仲間達にはたくさん出会いました。(SNSの中だけの付き合いの方も含めて)
その中で、多くの方が驚くくらい元気に仕事と透析を両立し、社会の中で活躍しております。
明らかに透析の常識が変わってきてますね。(なごみちゃん、正解!)
1970年代、1980年代にも、バリバリ働く透析患者さんたちはいたのですが、もっと皆さん、必死だったし、ボロボロになりながら歯を食いしばって頑張ってきた記録がアチコチで残っていますよね。
今、そういう患者さんより、
「本当にこの人は透析を受けているんだろうか?」と思えるくらい、人生を謳歌している人がいるんですな。
現代透析の結果がこれなんだと思います。
「顔色が良くなった。」
「肌がキレイになった。」
「明るくなった。(性格が)」と、言われる事が何度かありましたね。
ですよね~。
僕も、昔を知っている人から、似たような事を言われます。
4大合併症の4番目は「サルコペニア」ですが、透析不足や栄養バランスの悪さなどで、免疫力が低下したり、透析の合併症で動けなくなったりする事で、筋力の著しい低下が起こる症状の事です。
透析量を少なくして、過度の節制をするという選択は、基本的にこの「サルコペニア」まで症状を悪化させていく可能性があります。
そうなんですよ。
例えば、「むずむず脚症候群」は透析不足で起こる代表的な透析合併症ですが、夜に起きることが多く、深夜に家の中(もしくは外を)を歩き回らないと落ち着かないというような激しい症状が出る場合もあります。
いまだにこんな「むずむず脚症候群」をかかえて、精神的にしんどくなっている患者さんを見かける事があります。(僕の周辺で「むずむず脚症候群」で悩んでる患者さんはほとんどいなくなりましたが)
そうです。
すでに「むずむず脚症候群」の治療エビデンスはある訳ですよ。
患者に何らかの症状が起きた場合、どんな医師でも、薬や手術などで治療をし、そういう症状を起きないようにするか、緩和させるのですが、
エビデンスがあるのに、「むずむず脚症候群」の患者さんの透析量を延ばさないのは、治療を放棄しているのと同じですからな。
まあ、ほとんどの透析医の先生は、よく勉強されてますし、そんなことは無いんですが、たまに不勉強な先生もいますからな。
まあ、どこの業界でも優秀なビジネスマンもいれば、そうでない人もいます。
どこの病院で透析を受けるかは患者の自由ですからな。
ちゃんと勉強して正しい治療をしてくれる先生のもとで透析を受けることも、患者の大事な選択です。
僕自身も透析20年目ですが、移住(香川県⇒神奈川県)とかもあったにしろ、すでに5病院目(入院透析もいれると7病院)です。
ですね~(*'▽')
今、なごみちゃんがいる病院の看護師長さんと主任看護師さんは、僕も学会で会った時に少し話をしてますし、すごく細部にまで目配りできるベテラン看護師さんですよね。
担当の先生とは話したことはないですが、2017年の長時間透析研究会で、興味深い発表をされてました。
そういう風に、優秀なメディカルスタッフさんのいる病院で透析を受ける事は重要です。
ですよね。
病院で受ける通院血液透析で、週3回透析を週4回にしてくれる病院なんて、僕の知る限りでは全国に10病院くらいしかありません。(もう少しあるかも。推測で20病院くらいか?)
透析病院(クリニック含む)は全国に3500病院以上あるそうです。
その中で、週4回という元気透析のエビデンスの高い治療をしてくれる病院に当たるっていうのは物凄いですな。
ははは(^◇^)
ただまあ、さっきの「むずむず脚症候群」で悩んでる患者さんに、透析量を延ばす提案をしてくれる病院は年々増えてますね。
有難い限りです。
という事で、4大合併症の話をしてみましたが、結局は、正しい透析治療、正しい食生活、程良い運動等で、合併症の確率を大幅に下げることは可能ではあります。
ただし、長く透析を受け続けることで、確率を上げてしまう合併症ばかりですので、その症状と対処法を詳しく知っておくことは重要です。
透析仲間が、
「透析の合併症の話は、地域の患者会などでイヤというほど聞いた。」という事も言っておられましたが、地域の患者会で地元の先生を呼んで、勉強会などを開いてることも多いです。(患者会の規模にもよりますが)
そういう機会があれば、1度行ってみると良いかも知れませんね。
ぜひぜひ~(*'▽')
ストーリーテラー赤文字=なごみちゃん 年齢不詳 謎の透析患者さん。透析11~12年くらいという噂がある。
黒文字=トシヒーロー 透析20年目 週6回、1回3時間の短時間頻回透析を在宅で行っている。50歳にして結婚し、大企業でフルタイム勤務をしている。
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