仕事中、次長がやって来ました。

「人工透析を受けてる人を面接する事になったんだけど、聞いておいたほうが良い事ってある?」

おお~(*'▽')
この部署に新たな透析患者さんが入って来るかも知れないですな~(^◇^)

良き、良き。

一流企業なので配慮もしっかりしてくれるし、良い会社なので是非是非トライして欲しいです。

ただ・・・

「僕と同じように考えてると随分差があると思いますので気を付けて下さい。」と言っておきました。

ですよね~(*'▽')



全国の透析病院を検索できるサイトがある!



血液透析を受けていると言っても、1回3時間×週6回の在宅血液透析を受けている僕と、透析病院で1回4時間の夜間透析を週3回行っている患者さんとでは、状況が違いすぎますからね。

僕の場合、月~土の透析を受けていると言っても、残業も1時間までは可です。
しかし、週3回の夜間4時間透析ですと、17時まで働いて透析に通うのは厳しいかもですな。

神奈川でも夜間透析終了時間が22時のところは沢山あります。

逆算すると21時30分には透析終了と行きたいので、17時30分には透析をスタートしたいところです。

となると、17時には透析病院に入りたい。
じゃあ、透析日は16時30分で仕事上がりになっちゃうよな~。

前任者の透析患者さんも月水金は16時30分で上がってたそうです。

ん~(-_-;)
通常の夜間透析では、フルタイムの仕事は厳しいですな(>_<)



そう言えば、「透析検索ドットコム」というサイトがありますな。

ここで、各透析病院の夜間透析終了時刻なども分かりますので、調べてみると良いですよ(*'▽')

ん?

スクリーンショット 2021-11-06 205859


なんだ?
これは?

セルフ透析・・・?

調べてみましょう。


おお~(*'▽')

東京都北区田端の「田端駅前クリニック」と、大阪府吹田市の「岸辺くすのき透析クリニック」が検索出来ました。

「セルフ透析」とやらをやっている病院が東京と大阪に1つずつあるんですね(^◇^)

セルフ透析という名前から察するに、セルフで透析出来るという事なのか?


ま、実は東京の田端駅前クリニックをやっている「OasisMedical」の講演会は1度他の透析仲間たちと聞きに行った事があります(*'▽')

なるほど。
あれか~(>_<)




世界最高レベルの透析を行いたい



OasisMedicalでは「HDP」を重視してるみたいですね。

「HDP」とは、2002年にスクリブナー先生が提唱した透析量の目安となる指針の事です。

もうすでに日本の透析学会などではこの「HDP」よりも優れた透析量測定の新たな計算方法が発表されてますが(HDPに血液流量などを加えた新たな計算方法)、一般に計算が簡単なHDPの方が我々透析患者には分かりやすいのでね(*'▽')
こっちで行きましょう。

HDPの計算方法は簡単です。
スクリブナー先生によると、HDPは72以上が好ましい透析という事になっております。


HDP計算方法
(1回の透析時間H)×(週の透析回数)×(週の透析回数)=HDP



つまり、1回4時間×週3回の透析を行っている患者さんは・・・

4時間×3回×3回=36
で、HDPは「36」という事になります。

あらら・・・

スクリブナー先生の言う好ましい透析量「HDP72」の半分となってしまいますな(>_<)

という事は・・・

週3回の透析で「HDP72」にするには・・・
1回の透析で8時間やらなきゃなりませんwwwwwwwww

ヨーロッパじゃ、1回8時間の透析を行っている病院も結構あるらしいですからな。

神奈川にゃ、1病院しか無いぞ(>_<)

どういう事じゃ(-_-;)

週3回透析では限界があるという事ですね。

8時間透析となりますと、寝ている間に透析出来る「オーバーナイト透析」じゃないと、しんど過ぎるやん。

しかし、HDPの特性上、週の回数の二乗という事で、週の回数を4回以上にすると、一気にHDPの数字が跳ね上がります。

うちの妻の透析は2.5時間×週6回ですが、これでもHDPは90になります~(^◇^)
ちなみに僕は3時間×週6回なのでHDPは108です。

透析時間は短くても週の回数を増やせばHDPは増えるのですな。

じゃあ、HDPが伸びると、「何がお得なのか???」という事が問題になってきます。



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圧倒的QOLを誇る高HDP患者たち



これはすでに世界である程度の統計があります~(^◇^)

HDPが72以上の透析患者さんと、72未満の透析患者さんとでは、QOL(生活満足度・人生の質の高さ)が圧倒的に違うとの事です。

ああ~。
確かにそうかも(^◇^)

僕も透析15年が経過しましたが、最初の10年の大半は週3回×1回4時間の透析でした。

当時を思い返してみて、QOLが高かったか? と言われますと、無いに等しいくらい低い状態でした。

慢性的に背中が痒いし、血圧は下がりまくる。
出かけていて動けなくなった事も多々ありますし、友達と飲みに行って血圧が下がった事も多かったです。
透析帰りに電車から降りられなかった事や、バスの最後尾の席で横になった事もありました。

食事制限も常に考えなくてはならず、食べたいけど我慢する事は日常茶飯事。

どうしても食べたくてバニラのアイスを食べたら、リンが10になってしまうというね(>_<)

どうしたって透析が人生の中心になってしまい、自分の人生を楽しむという感覚にはなかなかなれませんでした。



で、3時間×週6回の透析をしている今はというと・・・

背中の慢性的な痒みはなくなりました(^◇^)
血圧が下がってしんどい事は激減しておりますな(^◇^)
首や肩の炎症による痛みもなくなっちゃいました(^◇^)
おかげで健常者に混ざって普通に仕事が出来ております(^◇^)
食事制限も水分制限もほぼ行わなくても増えすぎにはならないです(^◇^)
リンやカリウムも低め安定で行けてます(^◇^)

生活満足度は120点ですな。

アクティブな人生を過ごしております。

そう言えば、香川で週3回の6時間透析(HDPは54)の時もアクティブになりアチコチに出かけてましたな。

おかげで現在の伴侶が見つかりました(^◇^)

長時間透析(週18時間以上の透析)だと、体が軽い、頭が働くといったメリットがあるため、普通に出かけたくなります。(コロナ期はうちでゴロゴロしてましたがwww)



さてさて、僕と同じようにHDP72以上の透析を受けておられる皆様は、人生をとてもアクティブに過ごしているようです。

こうなりますと、誰しも「HDP72」以上の透析がどんなものか興味を持つのではないでしょうか?




「セルフ透析」は世界最強の透析となれるか?



ちょっと正確なところは分からずアバウトな数字で悪いですが・・・
小耳にはさんだ情報では、HDP54以上の透析を行えている日本人の透析患者さんは、全体の2.7%程度だという話です。(あくまで小耳にはさんだ情報です)

HDP72以上となりますと、1%いるかどうか(>_<)

で、話が「セルフ透析」に戻ってくる訳ですが・・・

「セルフ透析」というのは、この透析患者さんの「QOL」を最も大事に考えた透析と言うのですな。

つまり、受けたい時(受けれる時)に受けたいだけ自由に透析できるシステムを指しております。

えっ???

そんな事が可能なのか???

深夜帯は別にして、朝8時30分~夜23時までの間に、好きに透析できるというシステムを構築しようという考えです。

僕のように、在宅で血液透析をやるのは、周りに医療従事者がおらず、何かあった時はとにかく透析を中止して対応するしかありませんな。

危険度も考慮に入れますと、色々問題も多いです。

しかし、逆に、病院に自分専用のベッド(リクライニング)とコンソールを置いてもらい、そこで自分で透析するのであればどうでしょうか?

医療従事者さんがいてくれて、何かあってもすぐ駆けつけてもらえる。
そして、自分で回路を組み立て自分で透析をスタートし、自分自身で透析スケジュールを好きに立てられる。

透析中は病院のシステムで映画が見放題(そういうチャンネルが使いたい放題・劇場型透析室まで完備)。

リクライニングで仕事(パソコン使用)も出来る、半個室で電話もOK。

まあ、こういうのをOasisMedicalさんでは目指しているとの事でした。

これがどの程度実現したかは分かりませんが、実際に田端駅前クリニックの最新方式の透析を受けておられる患者さんの元気ぶりと肌ツヤを見たら、
「あ、この病院の透析システムは間違いなく凄いはずだ!」と思ってしまいました(>_<)


追記:2021年11月13日

田端駅前クリニックのセルフ透析を受けておられる患者さんからお便りを頂きました(*'▽')

現在の田端駅前クリニックのセルフ透析ですが・・・
・セルフ透析のフロア解放は月水金土の週4日間(週4回透析可・保険診療適用の月14回制限を超えて出来る)
・月の下旬に翌月の透析スケジュールを提出(変更可能)
・プライミング~片付けまで全部自分でやる完全セルフ透析と、穿刺は医療従事者さんがやってくれるセミセルフ透析の2種類あり
・セルフ透析フロアは全リクライニング 映画視聴などはできないそうです(一般はあり)
・携帯電話使用可 
・リモートワークなどで会社に許可を取り、日中にパソコン持ち込みで仕事をしながらセルフ透析をしている方が多い(これにより、仕事と透析時間を分ける必要がなくなり、仕事と透析を一体化できるため、1日の余暇時間が増えるというメリットがあるそうです)

情報を頂きまして有難うございましたm(__)m 



そう言えば、
「OasisMedicalって、評判悪くありませんか?」という話も聞いた事があります。

ああ~(^◇^)

あれな。

別に僕もOasisMedicalの宣伝のつもりは一切ありませんので(最強は在宅血液透析と思っているため)、かばうつもりはありません。

ただ、こうした患者さん主体の透析をしようという病院が現れた場合、多くの週3回×1回4時間以下の透析しか行わない、まだ1990年頃の透析しか行えていない透析病院の諸先生方や医療従事者さんたちが、先進透析を悪く言うので(自分たちを正当化するため)、そういう悪評が流れる事がありますな~(^◇^)

まだまだ、全体の7~8割の透析病院が、1990年代の透析から進化出来ておりませんから。

かつてコカ・コーラを飲むと歯が溶けるなどのウソ情報を流したライバル会社があったのと同じ原理で、悪評を流す輩はいるのですな。
(30年間、毎日コカ・コーラを取り換え歯を浸けていても歯は一切溶けなかったという実験があり、コカ・コーラで歯が溶けない事は実証されております)


前に透析仲間たちと山羊先生の講演を聞きに行った時に、ある70歳くらいの男性の透析患者さんが質問してましたな。

「しっかり食べて、しっかり透析」という事ですが、「しっかり食べて」は分かりますが、「しっかり透析」って何ですか?




満足出来る透析を行えているという自負



ああ~(^◇^)

なるほど。

このおじさんの通っている病院では一律週3回×1回4時間の1990年代の時代遅れの透析しか行ってないのでしょうな。

なので、「しっかり透析」の概念が無い。

そりゃそうだ。

僕も透析を受け始めて数年は、透析時間を延ばすと元気になるという話は聞いたことがありませんでした。

体重の増えが多い人の罰則で透析時間が延びるというのはありましたが、あくまで罰則なので出来ればやりたくなかったな(>_<)

というか、4時間でもしんどいのに、5時間とかふざけんな! という感覚しかなかったwww


情報弱者はどこにでもいますからな。

僕の周りで「長時間透析」は誰でも知ってるので、誰もが知ってる感覚に陥ってますが、まだまだ世間一般では1回4時間×週3回透析が主流ではあります。

それはスクリブナー先生の言う至適透析の半分しか透析できていないという事実が隠されております。

それが当たり前の透析と誤魔化されている訳ですな。

ん~(-_-;)
こればっかりは仕方ありません。

長時間透析の効果の高さについて発信してるブログや医療従事者さんは多いと思いますが、そこに辿り着いてない医療従事者さんや透析患者さんも意外と多い訳ですな。

「しっかり透析」の概念が無い医療従事者さんの場合は「不勉強」と言える訳ですが、患者さんの場合はそれらの医療従事者さんたちにしか出会えなかったという「不運」というしか無いでしょうな。

僕の場合は、香川でも神奈川でも、最新の透析に対して猛勉強しているプロフェッショナルな医療従事者さんと、また、多くの情報を持つ患者さんたちに出会えたおかげで、自分自身も変わって行けました。

実はおかげで、会社でクラスアップの話が出ております~(^◇^)

うちの会社では、障害者雇用で中途採用の場合、「クラス1」(ノルマ無し、様々な配慮有り)というランクから抜け出しにくい状態にあります。

会社規定でも3年以上の勤務でA評価以上、もしくは5年以上の勤務でB1評価以上となって初めてクラスアップ(年収50万以上アップ、やらせてもらえる仕事の権限が増える)の対象となる、となってます。

僕はまだ2年6か月の勤務でしかありませんが、多くの役席者の方々から
「クラスを上げてやってくれ」という意見が出てるらしいです。

僕的にも、今年は大きくスキルを伸ばし、2クラス上の人よりも仕事量をこなし、1番下のクラスでありながら自分より上のクラスの人たちに仕事を教える立場になってしまっているという現状があり、「同一労働、同一賃金」という観点から若干の憤りを感じてはいました。

ただ、そういう不満を抱えられるのも、在宅血液透析で体調が良好に保てているというのがとても大きいです。
以前のような透析であったとすれば、ここまで頑張って仕事が出来たかどうか・・・

僕の場合は、無事に透析さえできていれば、それだけで(食事制限や水分摂取制限で困る事はないので)体調も精神状態も良好に保てるため、仕事に打ち込めるという環境にあります。

無事に透析さえできれば良いだけ。
それだけでいい。

穿刺失敗無し記録も、2年3か月を超えました(^◇^)

こういう状況を作ってくれる「透析」・・・

それこそが、世界最強の透析と言えるのではないでしょうか?

あくまで、自分の中で満足できる透析を行えてる・・・という自負がある事が大事です。
そういう患者さんたちは、元気で肌ツヤが良い。
そんな患者さんたちがたくさんいる透析病院に出会える事がとても大事であると感じる今日この頃でございますm(__)m




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