
これが現在の最新血液検査データとなります。
現在、新型コロナの影響により、透析後の採血が行われておりません。
月1回の物品(在宅血液透析用の備品等)引き取り日に病院で採血やレントゲン等の検査を行っております。(従来は月1回の病院での透析時に検査を行ってましたので、その時に透析前、透析後の採血を行っておりました。)
まあ、アクティブに働く我が家の夫婦が新型コロナウイルスを持ち込む危険性もありますからね。
(逆のパターンも困りますし)
で、完全に在宅血液透析状態となっております(>_<)
現在、この新型コロナ流行により、学会等も開催がなくなっている事ですし、僕なりにこれまでの15年間の透析生活をまとめてみたいと思います。
透析15年間の透析変遷
まずは、この表を見ていただきましょう(*'▽')

単純に使用するデータはクレアチニン値(Cr)のみです。
透析時間やQB(血液流量)の相関から、透析効率が上がることで透析後クレアチニン値が下がっていってる感じになります。
週6回、1回3時間の現在の透析ですと、最大透析間隔が中1日までとなり、透析間のクレアチニンがおおよそ2~9程度で推移する事になってます。
以前の週3回透析ではどうしても透析前クレアチニン値が10を超えてしまいますが、クレアチニン値10以上というのは透析を行っていない方にとっては致死に値する数値ですので危険が大きい訳です。
透析を定期的に行っているので、下がるから何とか持ちこたえているという事になります。
表の1番左の数字順に追って行きましょう(*'▽')
1 これは透析を導入した時の病院での数値です。
当時は約3時間58分の透析で、導入から半年後にダイアライザーがトレライトに変わりました。(それ以前のダイアライザーの種類や大きさは覚えてません。)
透析導入から徐々に透析前クレアチニン値が上がっていき、B病院に転院する前段階で透析前クレアチニン値が15~16辺りを行ったり来たりしてました。
精神的には、透析を受け入れられる精神状態ではありませんでしたね。
何故、自分がこんな目に遭うのか? という疑問が大きくあった感じがします。
2 遠方の病院に通うのが(特に帰り道が)厳しくなってきてましたので転院しました。
透析時間が5時間に伸びましたが、圧の上昇などでQBを160まで下げられる機会も多く、5時間透析の良さが今一つ発揮できなかった感じでしたね。
精神的にはようやく透析に慣れてき始めてましたが、腎臓がんや心筋症などで入院などもあり、まだまだ安定はしてませんでした。
3 再び遠方の透析実績が大きい病院に移りました。
こちらでは6時間透析となり、様々な病状がやや改善していった感じでした。
精神的には、安定した透析と仕事を始めた事で、随分と落ち着きを取り戻していきました。
4 結婚後神奈川の病院に移り、在宅血液透析となりました。
これにより、週3回透析から週6回透析となりました。
精神的には透析の苦痛を感じなくなってきました。
体調が良好なため、自分が透析患者である事を忘れてる時が増え、健全な状態にあると思います。
リン、カリウム
週3回の4~5時間透析時は
リン=4~6
カリウム=3~5
辺りを推移してました。
透析導入から数年は、バニラアイスを食べ過ぎてリンが10を超えたりする事がありましたね。
6時間透析となると、
リン=3~5
カリウム=2~4.5
辺りになってきました。(食事制限が緩くなり、むしろ食事でリン、カリウムを多めに摂取しないと下がる傾向になってました。
週6回、1回3時間透析では
リン=2~4.5
カリウム=2~4.5
辺りを推移してます。
食事制限、水分制限はほとんどしておらず、リン、カリウムの摂取を控える必要がなくなってます。

透析年数による病状の悪化具合
透析7年から12年頃にかけて、様々な病状が出てき始めました。
心臓の冠動脈に詰まりが発生、腎臓がん発症、ばね指、首や肩の腱に炎症
などが起きていました。
在宅血液透析を導入後、大きく変わった点が2点あります。
①まず、ばね指ですが、在宅血液透析を始めた時点では左中指のばね指はすでに悪化の一途を辿ってました。
が、在宅血液透析導入後は、痛み等は改善しております。
更に、右手中指にもばね指が起き始めていましたが、これは現在改善しました。
治っちゃいましたね(*'▽')
②首や肩の腱に起きていた炎症ですが、6時間透析以降、症状がなくなりました。
この2点です。
長時間透析研究会で、長時間透析によってアミロイド沈着が改善したという発表がありましたが、実際に6時間透析や頻回透析によって腱に付着したカルシウムやβ2ミクログロブリンの改善が起きる可能性はあるようです。
身をもって体感しました。
透析患者さんのばね指の場合、何らかの成分が指の腱に沈着し炎症を起こしていると思われます。(あくまで僕の体感です)
それが、透析量によって早い段階であれば改善する可能性があるという事です。
1度大きく悪化させてしまうと、改善までは難しいかも知れませんが、炎症を起こして痛くなるという症状はなくなる可能性がありそうです。
透析年数が長くなってきますと、何らかの透析で引ききれない成分が骨や腱に付着し炎症を起こして激しい痛みを起こす事があります。
膝や肩、腰、臀部など様々なところで炎症の可能性があり、早い段階で長時間透析に取り組まれた患者さんは、これらの悪化をある程度抑制出来てるのではないでしょうか?
精神面での透析生活
透析開始から数年は、なかなか「透析生活」に馴染めず、精神的にしんどい思いをする事があります。
食事制限、水分制限など、日常的に何かに抑制されている状態をずっと続けるのは、かなり厳しい事です。
健全な生活では、飲食はとても重要です。
美味しいものを飲食する事でも、ストレス発散にはなっている訳でして、そこを抑制しないといけない生活では、精神に影響を与えても仕方ありません。
例えば、ダイエットをする事で、たくさんお金が稼げるといったメリットが明確な場合は、自身の精神力で乗り越えられる場合もあると思いますが、「人工透析」の場合の摂生では、最終目標が不明なため、ずっと続く摂生生活が重荷になってしまう事もあります。
食生活において、過度のストレスを感じる方の場合、早い段階で長時間透析、頻回透析にチャレンジする事は、むしろ推奨出来ます。
食事制限、水分制限が緩やかになるだけでも、その後の「透析人生」は大きく変わると思われます。
現在、僕は体調も良好で、毎日透析をしているため「増えすぎ」の心配もなく、リン、カリウムも低め安定状態にあり、日々の生活の中でストレスを感じる部分がほとんどありません。
病院での透析の場合ですと、多くの人との接点もあり、そこにストレスを感じる事もあります。
が、在宅血液透析ならばそのストレスもありません。
あるのは、準備と片付けが少し面倒な事くらいです。
これも慣れてしまえば特に問題ありませんね。
ドライウェイトの管理をしっかりやりつつ、自身で血圧と体感を駆使しベストの除水量を心掛けていれば、日々に大きな影響を受ける事はありません。
体調の安定は、精神に大きな影響があると思いますね。
安定していれば、不安を感じる事が少なくなり、精神への負担は大きく下がります。
大事な日に血圧が低くて辛いなどの心配が不要になりました。
在宅血液透析のメリット・デメリット
2019年4月より在宅血液透析に移行して間もなく2年になろうとしております。
この1年間に社会保険で支払った透析費用は351万円となっておりました。
このほとんどを僕が通う銀行の健康保険組合が支払っております。
会社員となる前は国民健康保険であり、ざっと計算したところ年間に470万円平均で支払っておりました。
つまり、年間119万円ほどの負担減となっております。
これは大きいですね。
国への負担が少なく、患者は健康になれる訳ですから、在宅血液透析のメリットはかなり大きなものと言っても過言ではありません。
その分、患者側が水道使用費用、電気使用費用を負担する事になるデメリットはある訳ですが・・・
この在宅血液透析の場合のデメリットとして他に考えられるのは、最低でも1部屋は透析備品と機械で埋まってしまう事です。
もう1つ、自己穿刺と自己抜針の問題があります。
正直なところ、自己穿刺というのは、僕も最初の頃はとても苦痛でした。
在宅血液透析トレーニング中の事ですが、週3回の自己穿刺では、穿刺の感覚がつかめず、行き当たりばったりで穿刺してた記憶があります。
なので、成功しても失敗しても、その要因がはっきりしないため、次回の穿刺に活きないという感覚がありました。
ところがですな、
実際に在宅血液透析となると毎日穿刺しますので、最初の2~3週で穿刺の感覚をつかみました。
僕の場合はボタンホールではなく、縄梯子方式(毎回刺す位置をずらしていく。)で穿刺してますので刺す場所によって血管の深さや角度が若干変わります。
当然、毎回難易度が優しくなったり難しくなるのですが、やってるうちにどう刺せば良いかが分かってきますね。
また、穿刺で血管を外した場合も分かるので、修正が容易になりました。
2019年7月に穿刺失敗で刺し直して以来、1度も刺し直しなく今日まで来ております。
1年半もの間、穿刺失敗無し(^◇^)
これはC病院で樹立した2年間穿刺失敗無し記録に匹敵してきております。
不安な穿刺も毎日穿刺する事で(1度の透析で2本刺せる)そのうち慣れるという事ですな。
感覚をつかんでしまえばこちらのものです。
自分の血管にさえ慣れれば良い訳ですから、ワンパターンでOK。
透析病院の看護師さんや技師さんに比べたら遥かに容易ですよね。
また、抜針トラブルを起こさないために、テープの固定もうまくなりますよ。
透析中に何らかのミスで抜針したら部屋中血だらけになっちゃいますからな。
(うちの妻は透析中に寝ぼけて自分で抜いて血だらけにした事が1回ありましたが(-_-;))
後は、透析後の抜針ですが、これは穿刺に比べたらプレッシャーも少ないです。
止血がちゃんと出来ておらず、血が噴き出した事は2度ほどありましたが(押さえた場所がずれてたと思われる)これも慣れと慎重さでカバー出来ます。
と言う事で、穿刺の問題は経験でカバー出来ますね。
最初からうまくやれなくても大丈夫です。
勇気と愛で何とか出来ます(*'▽')
後は、自分自身との戦いがあるという事でしょうか?
「まあ、今日1回くらい透析しなくても大丈夫か!」という気持ちになる場合もあるでしょうからね。
そういう時でも透析はしようという気持ちを持って挑まなければ在宅血液透析のメリットを最大限に発揮する事は出来ません。
僕の場合は夫婦でやっている事もあり、そういう事もなく今日を迎えております。
不可抗力の無い限り週6回の透析を行えております。
後は、社会人となり、会社勤めする事で毎年の健康診断も行っておりますし、様々な病気に対して対応出来ております。
現在は2度目の緊急事態宣言で自宅待機となっておりますけども(-_-;)
在宅血液透析まとめ
① 透析を長く続ける事で起きる一部の諸症状においては、長時間透析で悪化スピードを遅らせたり改善出来る場合がある。
② 在宅血液透析では、体調面の良好状態が長く続き、様々な生活での精神面での好影響がある。
③ 在宅血液透析では透析にかかる社会への負担額が少なくなる。
④ 在宅血液透析では、食事制限、水分制限が緩やかになり、飲食面でのストレスがなく、リン、カリウムも低め安定で過ごせる。
⑤ 自己穿刺も経験によってある程度カバー出来る。
⑥ 外来透析による対人関係でのストレスがなくなる。
上記の事から見て、在宅血液透析のメリットは相当大きいと思われます。
むしろ、これが推奨されないというのはおかしいと感じる程です。
確かに危険度はありますが、本人にとっても社会にとっても優しい透析なのですから、今後は在宅血液透析が主流になっても良いかも知れません。
病院のベッドを間借りして行う在宅血液透析も今後はもっと出てくるかも知れませんね。
とにもかくにも、透析とは奥が深く、時代が変わっているのを実感できます。
その中で、今どういう透析を行えば自分に負担が少ないかをよく考え、色々トライしてみるのもありだなと感じました。
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