当然と言えば当然ではありますが、「新規人工透析導入者を1割削減」ですか。

1年間の導入者3万9千人になりそうなところを3万5千人以内でなんとかしたいというのですな。

ん~(-_-;)

「新規人工透析を1割減」目標…厚労省、10年間の腎臓病総合対策で ヨミドクター



そもそも、僕の保存期腎不全はこうして終わった


僕の腎不全が発覚したのが2000年7月でした。

暑い日の昼間に自転車で小一時間走ったのですが、家に帰って首から下は大汗かいているのに、首から上はまったく汗をかいていなくて、乾燥してるみたいになってました。

なんじゃこりゃ(-_-;)

そう思って、頭の中が腐るかと思い、慌ててシャワーを浴びました。

その後、せき込むようになり呼吸困難に陥る事が何度もありましたね。(この時の呼吸困難は息がしづらい状況でパニック障害を起こしていたと後に判明)

それで病院へ行ったら、尿検査と血液検査でネフローゼ症候群(尿蛋白)、高血圧と診断され2か月くらい入院となり腎生検などを受けました。

この時に、
「50歳までに人工透析になりますよ。」と当時の主治医だった内科医の先生に言われました。

ん?
人工透析???

正直なところ、「人工透析」なるものを僕はよく知りませんでしたので、まったくピンッと来なかった記憶がありますね。

知っていたら少しは抗っていたでしょうか?

2か月の入院で高血圧と食事療法によってクレアチニン値3から1.5ほどまでに下がりました。

すっかり呼吸困難やせき込みも消え、汗も普通にかくようになりましたね。

食事指導などもあって、低たんぱく・減塩の食事をこころがけました。


1人暮らしの仕事生活


その後、食っていくために仕事などをしていますと、1人暮らしの身ではスーパーのお弁当や外食の機会が増え、徐々にせっかく治りかけた腎不全も再び悪化していきました。

悪化して体調が悪くなると入院となり、しかも総合病院で入院してたので、主治医が転勤などでコロコロ変わり、対応が微妙になって行きました。(ちゃんと引継ぎできていない感じでした)

というのも、先生が変わるたびに言う事が違ってきたりしますね。

カリウムをたくさん取れと言われたり(野菜や果物を多く)、いや、カリウムはあまり取るなと言われたり(-_-;)

ただ、入院して食事療法をとっていれば、症状はなくなってしまうので、退院後また仕事をすると食生活が曖昧になり、腎臓を悪化させるという状況が続いていました。

僕自身が人工透析というものをよく知らなかったがために、食事療法が上手にやれなかったというのはありますね。


いよいよ透析導入目前


2005年の夏、仕事中に汗をかくと体が強烈に痒くなるという現象に見舞われました。

この時、クレアチニン値は4~5くらいになっており、しかし当時同棲していた彼女がいましたので、収入の良い仕事をハローワークで探し、3交代のビニール工場で働いてました。

この頃になると、ラシックス(腎機能が落ちて尿が出にくいので尿を出す薬を飲んでました)の効き目がなくなり、飲んでも尿があまり出なくなってきてましたね。

しかも、200度の高温の機械を操作する仕事で、すっかり体力も落ち、クレアチニン値の上昇は止まりませんでした。

年が明けて2006年の冒頭、とうとう主治医より
「人工透析に向けての用意をしましょう。」と言われました。

この時点でも、僕自身は「人工透析」の事がよく分かっていませんでしたね。

しかし、体調は日々悪化し、2006年になると吐き気、めまい、体のむくみなどが顕著となっていました。

室温が45度という職場で異常なまでに汗をかく仕事だったので辛うじて持っていましたが、2月ごろになると、食べてもいなくてドンドン痩せていったのに、ある段階から体重が増え始めました。

出るべき尿がちゃんと出ないために、体に水が溜まってむくんで行く訳ですな。

とうとう、横になって寝ると激しい呼吸困難に襲われるようになり、座って寝るクセがつきました。

当時、ローンを持っていたために、何としてもそれを払い終えてからという気持ちがあり、体調は最悪で仕事場でもフラフラになっていましたが、辞めずに続けていました。

そして2006年6月に最後の給料でローンの完済の目途がついたので、病院へ走り同じ総合病院の泌尿器科に行きました。(2006年の段階で内科から泌尿器科に移りました)

即入院となりましたが、とりあえずシャント(透析を受けやすくするために利き腕の反対の手首などの動脈と静脈をつなげる術)手術の日程が少し先になってしまったため、数日入院して一端退院。

5日後の受診の際に再び入院となりました。

シャント手術から2週間後の2006年7月18日に第1回目の透析、翌19日も透析となりました。

SSS55



たった6年で終わった保存期腎不全の何が問題なのか


まず、僕自身が「人工透析」に対する知識がなく、将来こんな大変な思いをするのであれば、もっと保存期を頑張れたのではないかと思う事が問題です。

「透析になりますよ。」とは言われましたが、その「透析」がどういうものかを教えてくれた医師はいませんでした。

まあ、自分が何も知識を得ようとしなかったのが1番悪いですが、人工透析と言われても何も知らないので、
「あ、そう」くらいにしか受け止めていませんでしたね。

ある程度、ガイドラインに沿った指導は受けてると思うのですが、自分の置かれている現状に気付いてなかったというのがあります。
なので、本気で保存期を送れなかったというのが問題ですね。

ある程度、自分の体がヤバイと思ったのは2005年の夏から透析導入にかけての1年間であって、もう腎不全悪化を止められる状況にはありませんでした。

厚労省が新規透析患者を減らしたい意向はよく分かりますが、こうした部分で「人工透析」というものが世間に正しく伝わっていないという事こそが、最大の問題点ではないでしょうか。

週3回、1回4~5時間の透析を受けるという事での生活の弊害はただ事ではないと思うのですが、それが世間にどれほど浸透しているのでしょう。

僕と同じタイミングか、それ以前に透析導入された方の中には、保存期腎不全の経験もなく、いきなり人工透析になった患者さんも多くいます。

腎不全も早期発見して正しい治療と食事療法をやれば、そうそう悪化して簡単に数年で透析になるものでもないのに、ちょっとくらいの体調異変は放置して、すごく悪くなってから受診したりすれば手遅れという事もありますよね。



腎不全と言われたら地域の優良腎臓内科医を探せ


しかもですよ。
今さらですが、僕が最初に面倒見てもらったのは内科医の先生でした。

内科医の先生でも、「腎臓内科医」という専門医の先生もいらっしゃるというのに。

「腎臓内科医」の肩書きを持ってる先生なら、保存期の正しい過ごし方、人工透析がどういうものかの示唆など、そうした腎臓病専門の診療を受ける事が出来たはずです。

というか、腎臓内科医の先生が当時の僕の担当にはならなかったのはなぜか?

その時の主治医は「腎生検」に立ち会った経験もない先生でしたからね。

新人の若い泌尿器科医の先生が大学病院から来られたベテラン先生の指導の下に腎生検が行われました。

こうした、最初の主治医選択のミスが、最後まで尾を引いてしまった感もあります。

もちろん「人工透析」を避けられたとは思いませんが、5年や10年早く透析になってしまったのではないかと思いますね。

現在の人工透析での主治医は「腎臓内科医」でもあり「透析専門医」でもあります。
こうした先生を最初から受診していたら、まったく違う保存期だったのではないか。(^◇^)
そう感じますね。



人工透析世界を知らないで腎不全悪化を防ごうという気にはならないと思う


透析世界の事をこうしてブログに書いてますと、多くの優秀な透析医の先生を知る事ができました。

みなさん日々研鑽し、情熱をもって透析医療に邁進して下さってますので、現在では昔のような「透析したら5年」という状況を脱し、人工透析でも社会の中で負けずに働ける患者さんまでも多く出すという現状にあります。

もちろん、元気に暮らせるというばかりでなく、好不調の波は大きく、かなり無理をしながら働くという状況でもありますので、障害者である事は仕方ないかなと感じますが。

当然、透析患者さんが簡単には死ななくなったために、透析患者数というのは伸びやすい傾向にありますよね。

ここは政府としては矛盾しますが、正しい療法を延ばしていくのは「国民の生命と財産を守る」という理念にかないますので当然でしょう。

一方で、「保存期腎不全」(CKD)の対策はどうなってるのでしょう。

僕が体験したような事が今でも起きるのならば、透析導入者は思ったほど減らないでしょうな。

正しい保存期腎不全の過ごし方をちゃんと指導できる医師へ患者を振って欲しいと思いますね。

そこらの経験や知識の浅い内科医や泌尿器科医が自分だけで対応するのは間違ってます。

厚労省もそれを絶対の条件として日本医師会に訴えていかないと、同じ轍を踏む患者を増やしてしまう事になりますよ。

せっかく、「腎臓内科医」という専門の先生が全国にいるのに、腎不全患者を「腎臓内科医」に紹介状を書いて振らないのはいかがなものか。

そこがちゃんとできないようでは、「新規透析導入者1割削減」などと語るのは机上の空論だと思いますね。

もちろん、その事は厚労省も分かってますので、正しくやってくれると思いますが、専門外の先生が出しゃばっていつまでも腎不全治療に当たってるような現状は多々ありますよ。

僕は透析導入に際して「腹膜透析」などの指導はまったくなく、問答無用で「施設血液透析」となった訳で、血液透析を受けたのちに「腹膜透析」というやり方があるのを独学で知りました。


いくら医療費の助成があるとしても、なりたくてなった透析患者はほとんどいないだろう



保存期腎不全で腎機能をしっかり守っていくという事は、保存期の正しい過ごし方だけではなく、「人工透析になったらあなたはどうなるのか?」という知識も患者に与えないと、本気で取り組めない場合もあるのです。

よくね、保存期の主治医から
「死にますよ。」と言われた経験がある患者さんの話を聞きますね。

そう言えば、本気で保存期に立ち向かうと思ってるところが甘いですな。

世の中は、死ぬよりも、病気で苦しいのになかなか死ねない事のほうがよっぽど恐ろしいのですよ(-_-;)

週3回、1回4~5時間の血液透析を死ぬまで受け続けなければ生きられないという生活がどのようなものなのかを具体的に知らせてやらないといけないでしょうね。

それでも生きていくために仕事もせねばならない。

この状況に甘えて暮すとスグにも社会からバッシングを受けてしまう。

透析後に電車の中で血圧が急低下し立っていられないのに、見た目に障害者には見えないので、席を譲ってもらいにくい現状。

たくさんのプレッシャーの中で生き、それなのにちょっと食べ過ぎたり飲みすぎたりしただけで、クソミソに看護師さんから怒られる世界(^◇^)

そうなったらなったで生きていくしかないからみんな頑張ってるだけ。

そこまで行くのに10年もヘタレた僕みたいのもいる訳です。

精神的に病んでボロボロになって行く人も時々います。

僕も「うつ」になりかけた事は何度もありました。

8人に1人がなると言われる腎臓病。
その中で、人工透析のお世話にならなくても済む方法があるのなら、何とか医療界や政界に頑張ってもらいたいところです。



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